お酒は睡眠を破壊し、老化を促進し、重病にかかるリスクをあげるとても危険な飲み物です。
世界保健機構WHOも「アルコールは健康障害の最大のリスク要因の一つである」と公表しています。
日本人の主な死因は「がん」「脳梗塞」「心筋梗塞」の3つです。アルコールはこの3つすべてに直結するものです。
むしろ「がん」「脳梗塞」「心筋梗塞」という最終状態までいければ長く生きれた方です。お酒により睡眠が破壊されるので、体の免疫はとても低い状態になっています。
このため、細菌やウイルスなどの外からの病気にもかかりやすくなり、途中で息絶えてしまうリスクも少なくありません。
ここではアルコールの依存症のなりやすさや、アルコールによる危険度をチェックする方法について解説しています。
レベル | 頻度 | 危険度 |
---|---|---|
1 | 年に1~2回飲むか、飲まない | 健康。リスクなし |
2 | 月に1~2回程度 | やや危険 |
3 | 週に3~4回。毎日の軽い晩酌 | 危険 |
4 | 毎日大量に飲む。無いとイライラする | 依存症。健康に重大な被害が出ている |
月に1~2回程度飲む人は、飲み会などの集まりなど機会があればのむという人がほとんどです。こういった飲み方を機会飲酒といいます。
週に3~4回飲むというのは、習慣的に飲む人たちです。毎日軽く晩酌する人もここに入ります。習慣飲酒といいます。
毎日お酒を1缶以上飲み、飲まないとイライラが止まらないという人は依存症です。お酒がないと普通の状態になれないとうい依存した状態になっています。
アルコール依存症というと、常に酔っぱらっていたり、お酒が無いと震えてしまう人のことを想像しがちです。ですがそれは間違ったイメージです。
普通に会社に行って、普通に仕事をしている人でアルコール依存症になっている人はたくさんいます。
依存症でも社会生活を送ることはできていますが、既に健康に重大なリスクを抱えている人たちです。
週に3~4回飲んだり毎日軽く晩酌するという人と、アルコール依存症の境目はとても曖昧です。
なので、このグループに属する人たちはアルコール依存症予備軍と呼ばれています。
お酒とは依存性のある薬物です。その依存度は違法薬物のモルヒネと同等です。
毎日習慣的に飲むということは、依存症への道を着実に歩んでいることに他なりません。いつ発病するかの問題でしかありません。
習慣的にお酒を飲んでいる人でも、今のところは健康診断で大きな問題がないという人もいます。
ですが、見落としがちな問題点にアルコール依存症への耐性が年を重ねるごとに弱くなるということがあります。
マリファナやコカインは一度やってしまうとすぐに依存症になってしまいます。ですが、アルコールは依存症になるまでに時間がかかります。
潜伏期間があり、ゆっくりと体を薬漬けにしていき、最終的にやめられない状態にしてしまうのがお酒の特徴です。
20代や30代のうちは体も若くアルコールを消化できることがほとんどです。ですが、年を重ねるごとに人は筋肉量が低下して代謝が落ちていきます。
そして代謝の落ちた、40~60代が最もアルコール依存症を発病しやすい年代です。
つまり、20歳や30歳でお酒を飲み始めた人が発病するのは約20年後ということです。
今お酒を飲んでいるという人は、アルコール依存症という崖に向かってゆっくりと歩いている状態です。
崖から落ちる前なら引き返すことはできますが、一度崖から落ちてしまうと戻ってくるのは非常に困難です。
もし、まだ臓器が完全に死んでいないのであれば、やめるべきは今です。
アルコール依存症になりやすい人は「昼から飲んでなんぼだろー」というちゃらんぽらん、破天荒、世捨て人ではありません。
むしろ、その真逆でいい人や優等生など世間から見てよさそうに見える人がアルコール依存症になりやすい傾向があります。
頑固な人は意志が強い反面、人の意見に耳を貸さない傾向があります。
このため、どれだけアルコールが体に危険かと言っても信じず、「私は大丈夫」「少しだから」といってお酒を飲み続けます。
結果として、数十年たった後に健康を害し、アルコール依存症になってしまう人が多いです。
完璧主義者はあらゆるものを完璧な状態にしようとするため、他の人以上に大きなストレスを抱えています。
また、自分がやることだけでなく、他人がやったことに納得ができず更にストレスを溜め込みます。
このため込んだストレスを発散するためにお酒と言う手段に頼らざるを得なくなってしまう人が多いです。
いい人や優等生は他人に何か言われたときに、自分の意見と違っていても「いいですよ」と言って笑顔で受けてしまう人たちです。
その裏で自分の心を抑え込み多大なストレスを抱えています。
このため込んだストレスを発散するためにお酒と言う手段に頼らざるを得なくなってしまう人が多いです。
熱中症やハマり症はそのエネルギーがいい方向に向かえば素晴らしい成果を出しますが、お酒やギャンブルなど悪い方にいくと徹底的にはまってしまい抜け出せなくなってしまいます。
お酒はビール1つとっても何百種類あります。世界中にたくさんのお酒があり、もちろん日本だけでもその数は限りがありません。
お酒はハマってしまうと抜け出すのが困難なものの一つです。
つまり、アルコール依存症は何か一つに打ち込めたり、周りに気配りができる能力の高い人がなりやすい病気です。
アルコール依存症にかかりやすい人の性格からもわかるように、実は普通に会社で働いている人がアルコール依存症になりやすい傾向があります。
具体的にどういった人がアルコール依存症の兆候があるかは次の4つの質問でチェックできます。
昼からお酒を飲みたくなったり、朝起きた瞬間にお酒を飲みたいという人はかなり危険です。
すでにかなりお酒に依存している状態です。重大な健康被害が出るのも時間の問題です。
「お酒は危ないから飲まない方がいい」と言われたときに「じゃあ、やる事がないよ」と思った人もかなり危険です。
また、「楽しみを奪うな」というイラっとした感情が湧き出た人もかなり危険です。
人生にはお酒以外にもたくさんの喜びがあります。嬉しい、楽しい、興奮、面白いなどドーパミンが出る行為はお酒だけではありません。
にも関わらず、お酒が人生の中で重要な位置づけを占めています。つまり、依存の状態です。
なお、依存症の人は他に楽しみがあることに気づきません。気づかないうちに「お酒こそが人生最大の楽しみである」と思い込んでしまっています。ほぼ洗脳されたような状態です。
重大な健康被害が出るのも時間の問題です。
「お酒は危ないから飲まない方がいい」と言われたときに 「楽しみを奪うな」 という感情が芽生える人は、楽しみや喜びが無くなるといった喪失感を感じています。
この喪失感を感じる原因はお酒を飲んだ時に分泌される快楽物質「ドーパミン」のせいです。
ドーパミン事態に罪はありません。私たちが「楽し~!」「やったー!」という喜びを感じられるのはドーパミンのおかげです。モチベーションになりやる気を上げてや行動をするための重要な物質です。
一生懸命勉強して受験に合格する。積み上げてきた練習の結果大事な試合で点を決められる。そういったときにドーパミンが出ます。
通常ドーパミンは得るのに時間がかかるように設計されているため、人は困難なことにもやる気を持って取り組むことができます。
薬物はそのドーパミンを簡単にくれるものです。そして、お酒もドーパミンを簡単にくれます。だから依存してやめられなくなります。
そして、依存者にとってお酒が断たれることは快楽物質ドーパミンが断たれることと同じなので、喪失感が芽生えます。
なお、お酒と同じく糖分もドーパミンを分泌するため依存性があります。
飲んだ後に「また飲んでしまった」と罪悪感を感じるようになったらかなり危険です。
これは理性では「飲んではいけない」とわかっているのに止められない状態です。
お酒という薬物によって自分の感情をコントロールできない状態に陥ています。
お酒は人体にとって危険な飲み物ですが、多くの人がその危険さに気付いていません。
依存度は時間をかけてゆっくりと進行していくため、自分がアルコール依存症だとわからずに既に依存症になってしまっている人もいます。
一度依存症になり、臓器が破壊されてしまってからでは元の状態に戻ることは困難です。
ですが、依存症になってしまっている人が悪いわけではありません。
美味しそうなお酒のCMがガンガン流れ、コンビニやスーパーに行けば手軽にアルコールが手に入る環境が悪いのです。
そして、お酒の危険性を伝えない教育が悪いのです。
「知らない」とはとても怖いことです。もしお酒の危険さや自分の状態に気づいたのであれば、崖から落ちる前の今のうちに引き換えすべきです。
あなたが残りの人生を少しでも健康で長く過ごせることを心より願っています。