医療費控除の中には、「医療費控除」と「セルフメディケーション税制」があります。
確定申告で「医療費控除」を選択した際に急に「セルフメディケーション税制」という項目が現れて、「医療費控除」と何が違うの?対象は何?どっちも申請できるの?メリットはあるの?といった様々な疑問を持たれている方も少なくありません。
ここではそういった方のために「セルフメディケーション税制」とは何か?について簡単にまとめています。
▼確定申告の例
「セルフメディケーション税制」とは、「市販薬品を購入したときの控除」です。
また、健康促進のために、予防接種や健康診断をしているかどうかも申請する際の要件になります。
なお、セルフメディケーション税制は全ての医薬品が対象になるわけではありません。対象となるのは「OTC医薬品」として厚生労働省により認定されているものだけになります。
約3000種類あり、厚生労働省のセルフメディケーション税制のページで一覧を確認することができます。
なお、OTC医薬品の対象かどうかはパッケージやレシートにも記載してあります。
OTC医薬品以外の市販薬品は「セルフメディケーション税制」の対象外となります。
また、「セルフメディケーション税制」を受けるための要件である、予防接種や健康診断にかかった費用も対象外となります。
適用されるのは、年間で12,000円以上の市販薬品を購入した場合です。
最大で88,000円が控除の対象となります。
このため、例えば、所得税の税率が20%であれば、最低2400円、最大17,600円が戻ってきます。
そもそも「医療費控除」という制度があるのに、なぜ「セルフメディケーション税制」なるものが新たにできたのでしょうか?
「医療費控除」は医療費が10万円を超えた場合しか適用されず、該当するにはなかなかにハードルが高いというデメリットがあります。このため、誰でも申請しやすいものとして「セルフメディケーション税制」が導入されました。
「医療費控除」と「セルフメディケーション税制」のどちらも申告できればお得!と考えるかもしれませんが、どちらか一方しか申請することができません。
「医療費控除」と「セルフメディケーション税制」のどちらも年末調整で対応することはできません。
このため、どちらを申請するにしても確定申告をする必要があります。
実際にその年度が終わってみるまでは「医療費控除」と「セルフメディケーション税制」どちらを申請するべきかはわからないものです。
このため、医療費と市販薬品のレシートや領収書はすべて保管しておき、確定申告する際に該当した方で申告するというのが最大の節税になります。