日本には「出る杭は打たれる」ということわざがあります。
実はこのことわざが使われているのは日本だけです。中国やアメリカなど他の国では使われていません。
「出る杭は打たれる」ということわざを多くの日本人が知っているため、「出る杭は打たなければいけない」と勘違いしている人までいる次第です。
ですが、出る杭を打ってきた結果、やる気があり伸びる可能性がある人の芽を摘みとり、結果として先進国の中でも成長が著しく鈍り、少子高齢化という歴史上どの国も直面していない危機にまで陥っています。
そもそも出る杭は打たれるの意味は次のようなものです。
「みな平等であるべきだ」という平等主義と、「一人だけ儲けようとする人は許さない」という妬み、「自分の利権を奪う恐れがある人は潰しておく」という既得権益といった感情が入り混じっています。
「出る杭は打たれる」と類似したことわざに「出過ぎた杭は打たれない」というものがあります。
突出しすぎてしまえば、もはや誰も叩く人はいなくなるという意味です。現代の日本のありようを示しています。
「出過ぎた杭は打たれないんだから、まだ努力が足りないんだよ。そこまで頑張れ」と言ったことを言うような人がいて、正当化している人たちがいますが、それもおかしな話です。
そもそも出てくる杭を打つ必要性がありません。
「出る杭」は海外にいくとどのようになるのでしょうか?
アメリカには次のようなことわざがあります。
the squeaky wheel gets the grease.
直訳すると「キーキーうるさい車輪は油をさしてもらえる」です。
転じて、自己主張が強い人は、メンテナンスされより伸びるようにサポートしてもらえるという意味です。
日本流に言い直すのであれば「出る杭は伸ばす」です。
人口減少や、資金力の低下など、この先の日本の衰退はほぼ確実となっています。
こんな時代に「出る杭は打たれる」と言っている人は時代遅れもいいところです。
これからの時代は「出る杭を伸ばす」です。いえ、それだけでは足りません「出る杭は全力で伸ばす」です。
優秀な人材は更にサポートを受けられ、伸び伸びと羽根を伸ばし、水を得た魚のように行動できる。そんな企業が成功していきます。