世の中には人と話すことや雑談を苦手としている人がいます。しかし、家族、学校、会社など人と関わることが前提となっているこの世の中では、人と話関係性を構築することが、物事をプラスの方向に進め、幸福を味わうために重要です。
雑談というと、巧みな営業マンのようにペラペラと喋り続ける人を想像したり、生まれつき社交的な人を想像しますが、決してそうではありません。
人と関係性を築く雑談には、ペラペラと喋る技術は一切必要ありません。大切なのは「相手を大切に思う気持ち」と「話しかける勇気」の2つです。
そして、雑談は先天的な才能ではなく、努力することで身につけることができる後天的な才能です。
ここでは、人との関係性を築くための雑談のポイントについてまとめています。
人との関係性を築くために必要な雑談のポイントは3つだけです。あれこれと難しいことを考える必要はありません。
「〇〇さん、調子はどうですか?」そして、その後の会話は相手に敬意を払い配慮した形で進める。それさえ忘れなければ、人との雑談をスムーズに進めることができます。
話しかけるタイミングは鉢合わせしたときは必ずです。
道で見かけたとき、エレベーターで乗り合わせたとき、同じ部屋になったときなどに「〇〇さん、調子はどう?」と言って話しかけるだけで、関係性を築いていくことができます。
ついつい気恥ずかしくて気づかないフリをしてしまったり、忙しいからという理由をつけて無視してはいけません。そこで勇気を振り絞って話しかけることが重要です。
大変で難しいことだと感じるかもしれませんが、そういったときに話しかけることこそが「あなたのことを気にかけている」という気持ちを行動にしたものです。
逆に、そういったときに無視するということは「あなたよりも大切なことがある」「あなたは取るに足らない」という気持ちを表した行動になります。
アドビのCEOにブルース・チゼンという人物がいます。セールス・マーケティングの人材で、そのような人がテック企業のCEOに取り立てられるのは異例中の異例でした。
ブルース・チゼンは、まずは「人の名前を覚える」ようにしました。
エレベータなどで誰かと乗り合わせたときには「調子はどう?何に取り組んでいるの?」と訊ねるようにし、食堂で思い切って初めての人たちと食事をするようにしました。
そういった人を巻き込む姿勢を仕事でも貫き、ミーティングではエンジニアや開発者を話しに引き込もうと努力しました。
そのよな行動をしているうちに、エンジニアのリーダーたちがブルース・チゼンに一目おくようになり、そして製品の責任者を引き継ぐよう要請され、最終的にはCEOに任命されるに至りました。
ブルース・チゼンがCEOになろうとしたのではなく、人を大切にし巻き込んで仕事を進める姿勢を貫いてきた結果、周りが彼を信頼して、リーダーにしたのです。
マネージャーなどの上の役職は肩書によってなるものではなく、自分の行いの結果、周りがリーダーへと押し上げるものです。
ブルース・チゼンは雑談でCEOに任命された人物ですが、もともと雑談が得意ではありませんでした。人に話しかけることは自分の性に合わないと言い切っています。
ただ、アドビに入社したときに、人間関係を築きチームを前に進めるために雑談が重要だと感じ、相手の名前を憶えて、「調子はどう?最近は何に取り組んでいるの?」と話しかけるように”努力”しました。
その結果自然にできるようになったと語っています。
人間関係を築くことは僕にとって自然にできることじゃなかったけど、努力した。幸い、次第に無理なくできるようになった。
この記事の内容はGoogleのCEOと会長を務めたエリック・シュミットやプロダクト責任者を務めたジョナサン・ローゼンバーグらが書いた「1兆ドルコーチ シリコンバレーのレジェンド ビル・キャンベルの成功の教え」の内容の一部要約と自分なりの解釈を加えたものです。
ビル・キャンベルはAppleのスティーブ・ジョブズやGoogleやTwitterの経営幹部のコーチングを務め、世の中に偉大なリーダーを何人も送り出してきた人物です。
ビル・キャンベルが貫いてきた生き方やそこにまつわるストーリーには、最高のチームを作るためにリーダーやコーチが知っておくべき考え方や行動が宝の山のように詰まっています。
その考え方はビジネスやチームを成功に導くだけでなく、人として幸せに生きるためのより本質的な知恵でもあります。
この記事に興味を持たれた方は、本書を実際に手に取ってみることをお勧めします。あなたの人生をより幸せにし、成功へと導いてくれることは間違いありません。