リーダーやチームを率いるマネージャーは決断力を重んじ、議論のフェーズが終わったと判断すれば自ら決断を下す必要があります。
常識外れの行動をとりがちな規格外の天才を高く評価し、チームメンバーと上手くやっていけるようサポートし、ときには守ってやる必要があります。
ただし、チームを危険にさらすような行動をとればただちに排除する決断もしなければいけません。
企業の価値は販売している商品やサービスであり、企業に集まっている人たちはマーケティング、経理、営業など、どの部署もそれらの製品のために集まっています。
最高の製品を、最善のタイミングで適切に世の中に送り出すことが、企業というチームが最優先すべきことです。
どこか一つの部署が力をもち、自分たちの利益を優先するようにさせてはいけません。
企業には当然求める成果を発揮できない人もいます。そういった人たちに解雇を言い渡す必要性も生じます。
そういったときに、冷たくあしらったり、追い出したりしてはけません。
これまで一緒にチームとしてやってきたこと、そして彼らが残した業績に敬意を払い、自尊心を持ってやめていけるように配慮することがリーダーの務めです。
なぜなら、それが後に残されたメンバーの士気に大いに影響するからです。
敬意を払うのは解雇を言い渡す人だけでなく、自分の夢を追って新たに旅立つ人に対してもです。企業を去っていく人を傷つけてはいけません。
リーダーは人間関係が信頼の上に築かれることを理解する必要があります。
一緒に働く人たちの信頼と誠意を得るために全力を注ぎ、相手の言葉に耳を傾け、率直で誠実になり、メンバーの可能性をメンバー自身以上に信じることが大切です。
リーダーは自分の利益よりもチームの利益を最優先する模範であり続ける必要があります。その姿勢はまさにチーム・ファーストです。
チーム・ファーストとは、問題や課題に直面したときに、原因や解決策に気を払うのではなく、チームが抱えている不安や、どんなチームがその問題解決に当たるのかについて優先的に考える必要があります。
チームが一丸になれるようコミュニケーションや理解に溝が生まれたら、それを素早く察知し習性する必要があります。
チームの中に気まずいが誰も触れたくない話題が潜んでいるときは、チームがまとまりを保つために、勇気を持ってそれを引っ張り出し、取り組まなければいけません。
チームが苦境に陥り業績が上がらない時、チームのメンバーは疲弊しきって気力を失っています。そうした状況でリーダーがもうだめだと投げ出してはいけません。
リーダーはそういった絶望的な状況でこそみんなに勇気を与え、率先して先陣に立つ存在であり続ける必要があります。
チームのメンバーが最も力を発揮するのは、ありのままの自分でいられるときです。
自分の生まれ、肌の色、言語、見た目、性格、訛り、服装、趣味などあらゆることを一人の人間として受け入れられたときに、人は最も強いエネルギーを出すことができます。
恐怖や脅し、報酬で縛り付けることは、一時的なエネルギーしか引き出せません。
リーダーこそが誰よりも自分らしくあり、そして他の人が自分らしくあることを、その人自身の個性として丸ごと受け入れる必要があります。
リーダーは人を大切にし愛せる人である必要があります。
人にたいする思いやりが、信頼や愛情を育みます。そしてその信頼や愛情はメンバーから他のメンバーへと向けられます。
そうしてできた深い絆がコミュニティーを形成し、互いを思い助け合うより強い集団になっていきます。
人はそれぞれ何にモチベーションを感じるかが異なります。それは、常に同じではなく、ライフイベントなどの環境によっても変わったりします。
愛、家族、お金、注目、力、意味、目的など様々です。
どれが良くて、どれが悪いというものではありません。年齢、地位、立場に関わらず、それらも含めてその人自身を織りなしています。
リーダーはそれぞれの人に、人間として大切にしているものがあるということを理解し、注意を払う必要があります。
相手が価値を置いているものを理解し、大切にすることが、その人が本領を発揮する力につながります。
この記事の内容はGoogleのCEOと会長を務めたエリック・シュミットやプロダクト責任者を務めたジョナサン・ローゼンバーグらが書いた「1兆ドルコーチ シリコンバレーのレジェンド ビル・キャンベルの成功の教え」の内容の一部要約と自分なりの解釈を加えたものです。
ビル・キャンベルはAppleのスティーブ・ジョブズやGoogleやTwitterの経営幹部のコーチングを務め、世の中に偉大なリーダーを何人も送り出してきた人物です。
ビル・キャンベルが貫いてきた生き方やそこにまつわるストーリーには、最高のチームを作るためにリーダーやコーチが知っておくべき考え方や行動が宝の山のように詰まっています。
その考え方はビジネスやチームを成功に導くだけでなく、人として幸せに生きるためのより本質的な知恵でもあります。
この記事に興味を持たれた方は、本書を実際に手に取ってみることをお勧めします。あなたの人生をより幸せにし、成功へと導いてくれることは間違いありません。