真の敗北はチームの失敗をこき下ろした瞬間|リーダーは苦しいときこそ誠意と献身を示す

苦しいときこそ誠意と献身が必要

人は勝っているときや、イケイケのときに話をするのは気分がよく、楽しい気持ちになります。そういったときにチームワークを重視し、誠実で献身的な態度でいることは比較的容易です。

一方、企業の業績が悪化しているときや、ライバル企業に敗北したときに、同じようにチームワークを重視し、誠実で献身的な態度でいることは困難です。

ですが、苦しいときこそ、チームワークを重視し、誠実で献身的な態度でいることが必要です。

そして、チームのメンバーが落ち込んでいる時に「こんなところで諦めるな」と励まし前を向かせる人こそがリーダーシップを備えた人です。

特に企業の業績が悪化し、社員の全員がやる気をもっていないとき、社長や部長は自分たちの職務を投げ出したくなる気持ちに駆られるでしょう。

しかし、そういったときこそ、上に立つ人が先陣に立ってチームを鼓舞し、立て直しを図る必要があります。

Appleのスティーブ・ジョブズやGoogleやTwitterの経営幹部のコーチングを務めたビル・キャンベルは次のように語っています。

リーダーが先陣に立たなくてどうする。迷っている暇はない、本気でやるんだ。

失敗するのはいいが、中途半端はダメだ。あなたが本気で取り組まなかったら、誰が本気をだすというのか。やる以上は全力でやれ。


真の敗北はチームの失敗をこき下ろした瞬間

今では世界中で最も偉大なコーチとして名を馳せているビル・キャンベルも若い頃に、フットボールのコーチをしていて大きな失敗をしたことがあります。

それは、チームがボロボロに負けたときに、ビル・キャンベルがロッカールームでチームに対して罵声を浴びせて、本気で批判をしたときでした。

そのことを、彼は次のように語っています。

あれは私が失ったチームだ。私がチームを失ったのはあの瞬間だった。

この世の中は、挑戦と失敗に溢れています。そんな中で失敗を批判し徹底的に叩くことは、チームの強化にはつながりません。

自ら望んで負けたり失敗しようとする人は一人もいません。みんな勝ちたいものです。

チームをより強くするのは、チームが敗北したときに、鼓舞して、誠意を示し、メンバーを助けることです。

一番苦しいときこそ、リーダーが先陣に立って誠意と献身を示す必要があります。

point

負けることは真の敗北ではない。真の敗北はチームに対して誠意と献身を忘れること。


守るのはチームとチームが築き上げてきたもの

企業など組織のトップとして、苦しい思いや敗北を喫することもあります。そうしたときに守るべきは、会社の利益や自分自身の地位ではありません。それをした瞬間にチームは真の敗北を喫します。

苦しいメンバーを見捨てて、保身や自己の利益を取りにいった瞬間に、その人の中に大きな穴がぽっかりとあきます。

そして、これまでのように情熱と誠意をもって立ち上がることができなくなります。

組織のトップが守るべきは、そこに所属しているチームとこれまにチームが築き上げてきたものです。

チームメンバーの心が離れなければ、何度でも再起することができます。再び立ち上がり戦いを挑むこともできます。

point

物事がうまくいかないときこそ、リーダーにはいつにも増して「誠意」「献身」「決断力」が求められる。



参考

この記事の内容はGoogleのCEOと会長を務めたエリック・シュミットやプロダクト責任者を務めたジョナサン・ローゼンバーグらが書いた「1兆ドルコーチ シリコンバレーのレジェンド ビル・キャンベルの成功の教え」の内容の一部要約と自分なりの解釈を加えたものです。

ビル・キャンベルはAppleのスティーブ・ジョブズやGoogleやTwitterの経営幹部のコーチングを務め、世の中に偉大なリーダーを何人も送り出してきた人物です。

ビル・キャンベルが貫いてきた生き方やそこにまつわるストーリーには、最高のチームを作るためにリーダーやコーチが知っておくべき考え方や行動が宝の山のように詰まっています。

その考え方はビジネスやチームを成功に導くだけでなく、人として幸せに生きるためのより本質的な知恵でもあります。

この記事に興味を持たれた方は、本書を実際に手に取ってみることをお勧めします。あなたの人生をより幸せにし、成功へと導いてくれることは間違いありません。



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