職場において人材を育成する場合、フィードバックが非常に重要です。何か間違った行動をしたら、できる限り即座に、そのことを気付かせて再発防止をする。
あるいは、何かいいことをしたら、承認したり褒めてモチベーションを上げる。
フィードバックはタイムリーであればあるほど効果を発揮します。
しかし、フィードバックだけでは不十分です。なぜなら、フィードバックでは遅すぎるという問題があるからです。
組織において人材育成する場合は、フィードバックだけでなく、行動前の気づきの方が重要です。
チームメンバーが行動をする前に「今度の〇〇の件、どんな準備をして臨むつもりですか?」「それだと~を見逃していない?」「~の場合はどうするの?」といったように、失敗する前に、そのことに気づかせて対策を打ってもらうようにします。
社員の成長を促すときにやってはいけないことがあります。それは答えを教えることと、何も教えないことです。
そうではなく「どうする予定?」「~の場合はどうする?」といったように質問形式で、本人が自信が答えを導き出せるようにすることが非常に重要です。
成長を促す側は、どんな場合においても、相手はヒントさえあれば自分自身で答えを導き出せる存在だと信じて根気強く対応することが必要です。
これはフィードバックでも同じです。「~がよかった」「~がダメだった」と評価を下すのではなく、「~がよかったと思う?」「~がダメだったと思う?」「どうすればいいと思う?」と質問して、本人自身が自分の行動を振り返り、気づきを得ることが重要です。
なお、何か行動を起こした後に「今回上手くいかなかったことはなんですか?」「次回はどうしたらいいと思いますか?」と言ってフィードバックをすることは、次の行動前の気づきになります。
つまり、どちらか一方やればいいというのではなく、誰かが何かの行動をする前には行動前の気づきを与え、行動後はフィードバックを与えることが重要です。
この二つをグルグル回すことで学びのスピードが加速し、どんどんと成長していきます。
この記事の内容はモルガン・スタンレーやGoogleで人材育成や組織開発を率い、自身も起業家であるピョートル・フェリクス・グジバチさんの著書『世界最高のチーム グーグル流「最少の人数」で「最大の成果」を生み出す方法』の一部要約に個人的な見解を加えたものです。
本書は現代の組織に求めれているものは何か?それを得るためにはどうすればいいかが具体的かつ論理的に記されています。
使われている用語は専門用語ではなく、誰にでもわかりやすいものになっていて、例も豊富に乗っている非常に実践的な良書です。
会社を率いている人や部署を率いている人、あるいはマネージャーを目指している人の必読書といえます。
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