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子供を叱る時に「~しないで」と言ってはいけない理由|してほしいことを伝える

「~しないで」は意味ないどころか、逆効果

子供が叫んだ時や、走ったとき、ごはんをこぼしたとき、おもちゃを投げたときなどに、ついつい「叫ばないで」「走らないで」「こぼさないで」「おもちゃを投げないで」といったように「~しないで」という人は少なくありません。

しかし、実はこの「~しないで」は子供にとってほとんど効果がないどころか、逆効果になってしまいます

つまり、「~しないで」は使わない方がいい言葉です。

なぜなら人は「〇〇しないでください」と言うと、その〇〇をしてしまう生き物だからです。

例えば「シマウマを想像しないでください」と言うと、人はシマウマを想像します。「赤いものを見ないでください」と言えば、人は赤いものをついつい見てしまいます。

これは良い悪い、思考が弱いということではなく、人の頭は耳にした言葉から自動的に連想してしまう生き物だということです。

このため子供はもちろんのこと、子供に限らず大人も含めてヒトという生物に対しては「~しないで」という否定的な命令や指示、叱責は避けるべきです。

point

人の脳は「~しないで」と言われると、それをするようにできている。


して欲しいことを伝える

ではどうすればいいかというと、「して欲しいことを伝える」ようにします

例えば、子供が叫んだ時は、「叫ばないで!」ではなく「静かにしようね」というようにします。すると頭は「静か」という言葉に自動的に反応するようになります。

同じく、子供が走る時は「走らないで!」ではなく「ゆっくり歩こうね」と伝えます。すると、頭は「ゆっくり歩く」という言葉に自動的に反応するようになります。

point

人の脳はして欲しいことを伝えれば、それを意識するようにできている。


命令ではなくお願いをする

人の脳の構造上「~しないで」は逆効果になりますが、だからといって、うるさい子供に対して「静かにして」や「静かにしなさい!」と命令や指示を出すことも逆効果になります。

なぜなら、2~5歳ほどのイヤイヤ期の子供や、10~18歳ほどの思春期の子供は自我が強く芽生えようとしている時期です。

ワガママを言う事で、自分自身の存在を確認したり、親がどこまでなら許してどこまでなら許さないのかを知ろうとします。否定されたり命令されると余計に自分の主義主張を示そうとします。

このため、この月齢の子供に「~しなさい」と言うと、余計にそれに反抗しようとする強い衝動が生まれます。これも良い悪いというものではなく、人の生理的反応の一つです。

子供にやって欲しい行動があるのであれば「~してね」とお願いすることが最も効果的です。

それでも「ヤダヤダ」と駄々をこねる場合は「お母さんは~してくれると嬉しいな」という私メッセージを伝えるのが効果的です。

point

命令や指示をすると、余計に反発心が生まれてしまう。そうではなく「~してね」とお願するか、「~してほしいな」と自分のメッセージを伝える。


合わせて読みたい

なぜ子供にイヤイヤ期があるのかや、「~しないで」や「~してはいけない」という障害が高いほど子供がそれをやりたがる理由については下記をご参考ください。


「~しないで」の言い換え

よく子供に対して使われる「~しないで」をより効果的な方法に言い換えると次のようになります。

効果の無い伝え方お願い私メッセージ
走らないでゆっくり歩こうねゆっくり歩いて欲しいな
こぼさないで手元を見て食べようね手元を見て食べて欲しいな
スマホを見ないでお風呂に入ってねお風呂に入って欲しいな
おもちゃを投げないでおもちゃは大事に使おうねおもちゃは大事に使って欲しいな
yuta