勉強のできるできない、学校からの通知表、運動や部活、習い事など、自分の子と他人の子を比較してはいけないと分かっていてもついつい比較してしまう。。
「あの子はうまくできるのに、どうして?」「なんであなたはできないの?」「努力が足りないのよ」そんな直接的な言葉をかけてしまったり、、
口には出さなくても、通知表を見てがっかりしたり、喜んだ表情を見せたり。他のできている子に「すごいね、おめでとう」と素直に言えなかったり。
比較されて育てられた子は自己肯定感が低い子に育ちます。ありのままの自分を受け入れられない子に育ってしまいます。
では、いったいどうすれば他人と比較せずにすむのでしょうか?どうすれば自己肯定感の高い子に育つのでしょうか?
そんな、ありふれた、けど、とても深刻な問題に答える9個の金言をご紹介します。
他人と比較してしまうというのは劣等感の裏返しです。比較して「人より優れている」と自信をもつこともあるかもしれませんが、それは非常に薄っぺらな自信であって、本当の自信とは程遠いものです。
本当の自信とは、「自分は自分であるだで価値があるのだ」と、自分の存在を肯定できる気持ちです。
何ができる、できない、ではないのです。
親に比較されて育てられると、「自分はどんな自分でもいいのだ」という自己肯定感を十分に育てられません。
相手に勝ったときや、条件を満たしたときにしか、自己肯定感を得られない子になってしまいます。
自分の子供を他の子と比較してしまうことをやめたい場合、「一生懸命にやればそれでいい。結果は問わない」と決め、実際にそのようにふるまわなければいけません。
心の中は喜んだり、悲しんだりしていても、顔にも口にも出さないでください。子供が「うちの親って本当に気にしないんだ」と、とことん信じ込めるようにしてください。
子供たちが学校でもらう通知表には、意識的に興味を示しませんでした。よくても悪くても「そうか、頑張ったね」と言っておしまいです。
叱らないのは当然ですが、さほどほめもしません。成績のよさや悪さに親が一喜一憂する姿を子供に見せないと決めていました。
子供はみな、努力しているのです。最善を尽くそうとしているのです。その結果なのですから、よくても絶賛する必要はないし、悪くても叱る必要はありません。
そして、親が絶賛しようとしまいと、子供自信の喜びや誇りらしさに変わりはありません。
子供にはそれぞれ、いい持ち味があります。のんびりな子もいれば、負けず嫌いな子もいます。をれをその子が個性として受け入れるためには、「あなたはあなたのままでいいんだよ」と親が思ってあげることです。
子供に努力を強いるのではなく、親がそう思えるように努力するのです。
お子さんは、お母さんやお父さんのどんないい面を受け継いでいるのでしょうか?まずそんなところから話してあげるといいですね。
「優しいところはパパに似ているね」「歌が好きなのはママに似ている」「走るのが速いのはパパ似だけれど、パパは6歳のときには泳げなかったんだ。そこはあなたのほうがすごい」というように。
ありのままの子供を受け入れるためには、お母さんやお父さんが自分のいいところを認めていなくてはいけません。
自分の悪いところばかりを見ている人は、他人の悪いところばかりが見えるのです。
自分を肯定できる人は、他人を肯定できるのです。
お母さん・お父さんは自分に自信がありますか?子供を「いい子」「優秀な子」に育て自信をつけるのではありません。
自分自身の生き方に自信をもつことが大事なのです。
人は誰だって、弱点や欠点をいくつも抱えているものです。
そこを気にしすぎず、人間はそういうものなのだと割り切って、自分なりに努力して、「いつかこういうことができるようになりたい。頑張ろう」と思えることが、自信のある人の姿だと思います。
そして、子供には「今はできないことがあるのだけれど、いつかできるようになるといいね。」「もっとこんなこともできるようになるといいね。その時を楽しみに待とう」と伝えてください。
カナダで精神科の医師に「自分の中に肯定すべき部分がどれほどあるかを、静かに見つめて、かみしめておくといい。
そうでないと、他者を肯定する力は湧いてこないものだ。そして、他者を肯定する力がない人間は、子供の精神科の医師になってはいけないよ。自己肯定感を高めなさい。」と言われました。
保育士も、学校の先生も、もちろん親も同じです。
わが子の長所を見つける前に、まずは自分自身の長所を静かな気持ちで探してみてください。そして次に、夫・妻という身近な人の長所にも目を向けましょう。いい部分がちゃんとわが子に受け継がれていることもわかると思います。
「この子はいい子だ」と信じてください。「私の子だから、夫・妻の子だから、いい子に育つに違いない」と。そうすることで、子供は親が思うように育っていくのです。
この子はいい子だ、こういうところが素晴らしいと、日頃から思っていれば、必ずそういう人になっていきます。
人間とはそういうものです。
この内容は、川崎医療福祉大学特任教授、横浜市リハビリテーション事業団参与で、自閉症を持つ人々のための支援プログラム、TEACCH(ティーチ)を米国から日本に紹介するなど様々な経歴をもつ精神科医 佐々木正美先生の「この子はこの子のままでいいと思える本」の要約と一部抜粋です。
本書には他にも、気づきを与え、心を軽くしてくれる、子供の育て方に関する金言がたくさん載っています。
興味を持たれた方はぜひ一度手に取って見てはいかがでしょうか?