仕事の都合で転勤が決まり、引っ越さなければいけなくなった、、その時家族はどうするべき?
一緒に行くべきかそれとも、単身赴任するのがいいのか?子供がいまの学校で楽しくしているとしたら?もし、残る方の親が他の仕事をしているなら?
転校先の学校でなじめるのか?向こうの子供は受け入れてくれるのか?そんな心配や悩みは尽きないと思います。
子供のために一番いい選択は何なのか?
そんな、ありふれた、けど、とても深刻な問題に答える6個の金言をご紹介します。
転校するか、単身赴任か。一概にどちらがいいかは言えません。この子がどんな性格の子か、転校先の学校の雰囲気はどうか、妻(夫)は仕事をもっているのかなど、さまざまな条件が絡み合ってくることです。
ただ、どんなものにでも原理・原則があります。その観点から言うと、家族はできる限り一緒であることがいいのです。
子供が小学校時代に転校することで、なじむのに時間がかかることはあります。でも「転校したくない」「自分は残りたいからお父さん(お母さん)だけ行ってほしい」などとは考えないものです。
受け入れる側の子供たちも、入っていく姿勢も違うこともあると思います。
けれど、家族全員が全員で暮らすということが、子供にとって非常に大切な、原理・原則であることにはなんら変わりはないのです。
現在の社会は、家族が一緒に暮らすことの価値を軽く考えすぎているのではないでしょうか。とくに夫婦は離れ離れに暮らさないほうがいいと思います。
すでに子供が高校生や大学生であれば、父親や母親だけ単身赴任するのではなく、子供が寮生活や下宿生活をする形で残るのがいいと思います。
もちろん、子供自身が「親といっしょにいたいから転向したい」と言うのであれば、その気持を優先させます。
それよりも幼い子であるならば家族一緒に引っ越すことがいいと思います。
単身赴任の子が不登校になるというわけではありませんが、長い間の父親(母親)の不在で母親(父親)が気持ちを不安定にすると、それが子供の不安とも関係してくると思います。
近頃は海外留学する若者が減っていると耳にします。
留学しなくちゃいけないと思っているわけではありませんが、「あの国、あの大学で学んでみたい」と思った時に、自分の力を信じることができず、意欲をもてなくなってしまうのはとても残念なことです。
見知らぬ世界に飛び立つための力は、安定した家庭において、親にしっかりと保護されることで身についていきます。
子供は、親への依存と反抗を繰り返しながら自立するのです。
その依存と反抗をしっかり受け止めてくれる家族とともに暮らす期間がないと、本当の意味で自立することはできません。
ですから、「子供を新しい世界に行かせるのは不安だからお父さん(お母さん)だけ行ってね」という保護のしかたではなく、「どこに行っても大丈夫。お父さんとお母さんがいるからね」という保護の姿勢こそが、子供には必要だと思います。
そうは言っても、事情はそれぞれあります。例えば、子供が転校に対して強い不安感を抱いている場合、慎重に考えて結論を出すべきだと思います。
また、両親がともに仕事をもっていて、簡単についていくことができないというケースがあるかもしれません。
単身赴任を選ぶのであれば、できるだけ父と子(母と子)のやりとりを頻繁にして欲しいと思います。
こまめに電話やメール交換をし、定期的に帰ってきて、日々の不在を埋める努力をたくさんなさってください。
この内容は、川崎医療福祉大学特任教授、横浜市リハビリテーション事業団参与で、自閉症を持つ人々のための支援プログラム、TEACCH(ティーチ)を米国から日本に紹介するなど様々な経歴をもつ精神科医 佐々木正美先生の「この子はこの子のままでいいと思える本」の要約と一部抜粋です。
本書には他にも、気づきを与え、心を軽くしてくれる、子供の育て方に関する金言がたくさん載っています。
興味を持たれた方はぜひ一度手に取って見てはいかがでしょうか?