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子育てにおける父親の役割や必要性とは何?子供が幸せになるために親がやるべきこと

子育てにおける父親の役割とは何なのでしょうか?

共働きの夫婦が増え、社会のあり方が変われば、夫婦の形も変わっていくのは当然のことです。専業主婦は減り、専業主夫を選択する男性もいます。母子家庭も父子家庭もあります。家族の形は今後も様々に変化していくでしょう。

それでも、子供が自尊心を傷つけず、自分自身を認めて育っていくために必要なことは変わりません。

子を生む母親がいて、そして父親がいます。家事や育児を手伝う以外にも、家庭の中で父親が担う重要な役割があります。それはいったい何でしょうか?

また、子供はビシっと叱らなければいけないと思っているのであればそれも違います。叱ることなんかよりもっと強さと勇気を問われることがあります。父親として何をするべきなのでしょうか?

そんな、ありふれた、けど、とても深刻な問題に答える19個の金言をご紹介します。


子育てには「優しさ」と「強さ」の2つが必要

子育てに必要不可欠なものに「優しさ」と「強さ」があると考えています。

「優しさ」とは子供を需要する力です。「ありのままのこの子でいいと受け入れる力」です。「強さ」とは「社会のルールを教え導く力」です。

どちらも、男性、女性に関わらず両方持っているものと思います。母親でも「強さ」が目立つ人もいれば、父親でも「優しさ」が目立つ人もいます。

子供が健全に育つにはこの2つが必要です。


幼い子どもに一番必要なのは「優しさ」

子供には「優しさ」と「強さ」の両方が必要不可欠なのですが、与える順番には決まりがあります。

幼い子どもにとって何よりも必要なのは「優しさ」です。「優しさ」で十分満足してから「強さ」を与えるのです。


子供にとっての一番は母親

どんなに母性的な父親で、家にいる時におむつをかえたり、離乳食を与えたり、お散歩した、休日に子供の望むところに連れて行ったりしても、子どもにとって一番は母親なのです。

食事に出かけたりすると、子供たちは母親の両隣を奪い合います。それで、お父さんの隣でもまあいいやという子が父親の隣に来る。

子供とはそんなものです。


お父さんは妻の幸せを第一に考える

性別によって子育てに役割分担を決める必要はないと思います。しかし、幼い子供はたいてい父親よりも母親を求める傾向があります。

お母さんには十分に「優しさ」を発揮して、子供のありのままを、包み込むように承認してほしいのです。

そして、お父さんはそんな妻を全力で支えてほしいのです。妻の幸せを第一に考えながら。


妻を支えるために一番重要な仕事は、妻の話を聞くこと

夫には大きな仕事があります。妻を支えることです。

おむつを替えたり、お風呂に入れたりも大事ですが、妻の話を聞くことは最も重要です。わが子の今日の姿でも、育児のグチでも、すべて聞いてください。

それが支えるということです。


子供の幸せの前に、まずは親の幸せを考える

カナダの大学で子供の精神医学の訓練として徹底的に教えているのは、「親の幸せを考える」ことです。

子供の幸せももちろん考えますが、まずは親からなのです。

いま、子供の虐待が社会問題化しています。痛ましい事件が続きます。そのようなことをする親で、幸せな人など一人もいないでしょう。夫婦仲がいい親もいないはずです。

親が孤独と不安の中にいるからこそ、子供の虐待という悲劇が生まれるのです。


夫婦仲がいいほど、子供の心は安定する

夫との関係がいいほど、母親は育児に前向きになれるものです。そして、両親の夫婦仲がいいほど、子供の心は安定するのです。

子供はとても単純ですから、親が笑顔でも不機嫌でも全部「自分のせいだ」と思います。

両親がケンカしていると「自分が悪い子だから」と思いますし、両親が仲がいいと「自分がいるから幸せなんだ」と考えるのです。そして、自分も幸せになるのです。


仕事で疲れているのは親の勝手

親が長時間勤務をしている場合、子供と接する時間はどうしても短くなります。仕事から帰ってきたら、親は疲れていることでしょう。子供の存在をうっとおしく感じてしまうかもしれません。

それでも、「疲れているんだから静かにして」などとは言わないでください。言わない努力をしてください。

仕事で疲れているのは親の勝手です。子供が望んでいるわけではありません。

触れ合う時間が短ければ短いほど、その時間に凝縮して子供の願いを叶えてあげてください。


子供の心に「優しい」「暖かい」「信頼できる」を焼きつける

子供は親と一緒に過ごした時間の中で「お父さんってこんな人」「お母さんってこんな人」というイメージをつくります。そのイメージを抱えて、明日も園や学校に行くのです。

一日中いっしょであれば、子供は親の色んな表情から選ぶことができますが、一緒にいる時間が短いければ、そのときの顔しか心に焼き付けることはできません。

ぜひとも、「優しい」「暖かい」「信頼できる」そんなイメージを子供に与えてください。子供はそれを心に抱えて、明日もまた集団生活の中で頑張ることができるのです。


怒らなければ伝えられないことなど、父親にも母親にもない

「子供は怒られても伸びない。褒めて育てよう」とはいっても、昔から親は恐い存在という役割があるように、忘れ物が多かったり、机もぐちゃぐちゃ、ものをすぐ失くすなど、そんな子供を叱れない父親や母親はどうなのか?と思ってしまう人も少なくありません。

でも、子供を叱らないからといって育児から逃げていることにはなりません。

怒らなければ伝えられないことなど、父親にも母親にもないと思います。


大人になるまでに、叱られたことは2回

わたし自身も父親ですが、子供を叱った記憶はありません。3人の息子のうち1人が、大人になってから「ぼくはお父さんに2回叱られたことがある」と言いました。

よく記憶しているものだと思いましたが、それが事実だと思います。

妻は四六時中子供たちと一緒にいますから、私よりしかる場面があったと思いますが、どなったり、叩いたりしたことはないと思います。


あれこれ言われていると、何が本当に大事なのか分からなくなる

もちろん、親が子供に教えなくてはいけないことはあります。でもそれは語気を荒げて厳しい口調で言うべきことではありません。

「こうしなくちゃいけないよ」「これはいけなかったね」と言うことは必要ですが、それも多すぎてはいけません。

あれこれ言われていると、何が本当に大事なことなのかが分からなくなってしまいます。


暴力・暴言は子供の自尊心を傷つけ、素直に聞けない子にする

子供のしつけで最も重要なことは、自尊心(自分は自分のままでいいんだと思える心)を傷つけないことです。自尊心を傷つけられた子は、卑屈になったり、意地悪になったりします。

特に、親からの暴力や、「おまえなんていなくていい」という暴言は、子供の自尊心を著しく傷つけます。

また、力で押さえつけられると反発心が生まれ、自分を守ろうという気持ちが働くために、どんなに正しいことでも素直に聞けなくなってしまうのです。

穏やかに気持ちを尊重するように言われたほうが、安心して聞けるのです。


叱らない。相手の家にいき、許してもらえるまで何度も頭を下げる

しかれない親はだらしない、育児から逃げているというイメージがあるかもしれません。でも、叱らないことが育児から逃げることだとは思いません。

子供がいれば、人に詫びなければならないようなこともします。そのような時も叱りませんでした。

その変わりに、子供といっしょに相手のお宅に伺い、相手の方に頭を下げました。許してもらえるまで何度も。


詫びるのは親の仕事。その姿を子供に見せる

子供時代の悪さは、その子の責任というよりは親の責任です。詫びるのは親の仕事です。

ただ、その姿を子供に見せる必要があると思います。「おまえのしたことは、このようにお詫びしなくてはいけないことなのだよ」と無言で教えることになります。


相手が許してくれれば十分。家で更に叱る必要はない

相手の方が許してくださったら、それで十分です。家でさらに叱る必要などありません。

人によっては「そんな甘いことをしていたら示しがつかない。また同じことをする」という人もいますが、反対です。

このように伝えたほうが、親の思いは子供に深く通じるのだと思います。実際、私の子供たちは二度としませんでした。


本当に困っているのは親ではなく子供

子供が忘れ物が多かったり、片付けられなかったりするのは、もしかするとADHD(注意欠如・多動症)の傾向が多少あるのかもしれません。

こういう子はいくつものことを同時に考えるのが苦手です。「学校が終わった。よし帰ろう」と思うと、頭の中はそのことでいっぱいになり、忘れ物の確認まで気が回りません。

どんなに叱られても、その瞬間は忘れるのです。本当に困っているのは、親ではなくこの子です。


苦手な部分は大人が助ける

子供が苦手な部分は大人が助けてあげてください。先生に「帰りにプリントを持ったかどうか、一言確認してください」と頼んでみてはいかがでしょう。

親しいお友達にお願いしてもいいですね。ご家庭では、お母さんやお父さんが見てあげてください。

叱るのではなく、思いやりが伝わるように。


0歳の赤ちゃんや2歳の子より、手助けを必要としている

下の子が小さければ、さぞかし大変でしょう。けれど、0歳の赤ちゃんより、2歳の子より、手助けを必要としているのはこの子かもしれません。

手のかかる子に十分に手をかけてあげると、スッと育てやすい子になる瞬間が来ます。必ず来ます。


参考

この内容は、川崎医療福祉大学特任教授、横浜市リハビリテーション事業団参与で、自閉症を持つ人々のための支援プログラム、TEACCH(ティーチ)を米国から日本に紹介するなど様々な経歴をもつ精神科医 佐々木正美先生の「この子はこの子のままでいいと思える本」の要約と一部抜粋です。

本書には他にも、気づきを与え、心を軽くしてくれる、子供の育て方に関する金言がたくさん載っています。

興味を持たれた方はぜひ一度手に取って見てはいかがでしょうか?

yuta