子供が人と話すことや、人と触れ合うことが好きでなく、保育園時代からの友達との会話も減ってきている気がする。親との会話はするのもの、これも減ってきている。家で読書やゲームをする時間ばかりが増えている、、
性格は穏やかで、頭もよく、いつか変わってくれるのではと忍耐強く見守ってきたのに、どんどん内向的になっていく子供が心配で心配でしょうがない、、
どうすればもっと話してくれる子になるのか?親は何をするべきなのか?
そんな、ありふれた、けど、とても深刻な問題に答える10個の金言をご紹介します。
「いつか話してくれるはず」「いつか変わってくれるだろう」と信じて辛抱強く待つというのは、子供本人を信じていることにはならないのです。
「あなたのままではダメなのだ」という思いとなって、子供に伝わってしまうのです。
そう願う気持ちの切実さはわかります。わかるのですが、子供のためにもその期待を捨てる選択をしてほしいと思います。
どんな親でも、わが子の100%を受け入れることはできません。誰にでも「こうあってほしい」という願いはあります。「ここは直してほしい」と思う点もあるものです。
でも、その思いが強くなればなるほど、子供は親に安心できなくなります。「お母さん / お父さんはぼくを認めてくれないのだ」と思い込むこともあります。
親の願望が「いまのあなたのままではダメだ」というメッセージとして伝わってしまうのです。
言葉数が少なくても、魅力的な人は世の中にたくさんいます。お母さんやお父さんが「話さなくてもいい」と思うことができれば、お子さんも安心して自分の長所を伸ばしていけるのではないでしょうか。
例えば、お子さんにこう言ってみてください。「あなたは無口なところがいいよね。おしゃべりな男っていうのは、あまりカッコよくないものだよ。無口で不器用でも、ちゃんとした行動で示せる人が素敵だと思うよ」と。
11歳ぐらいになると思春期の入り口にさしかかっています。この年頃の子は親との会話がめんどうになるものです。
それでも、会話はあった方がいいと思いますので、質問を工夫しましょう。
「今日、学校どうだった?」などという難易度の高い質問ではなく、イエスかノーで答えられる質問をするのです。例えば、「今日の夕ごはんは鳥の唐揚げにしようと思うけど、どう?」「うん、いいよ」と、それで十分です。
「えー?」と言われたら「何がいい?」「焼き肉」「じゃ、それは明日作ってあげるね」と、それでいいのです。
あなたはあなたのままでいい。希望があれば、遠慮なく親に話していい。すぐに叶えてあげられないこともあるけど、希望を伝えても不快な顔をされることや、叱られることなんてないんだよ。
そういうことを、日常の行動の中で伝えていってください。
友達が少ないことを心配しているかもしれません。でも、保育園時代からの親友が10歳を過ぎた今でも本当の意味で親友なのか、少し疑問です。
この時期の子供は、趣味や趣向が合う子と新しい関係を築くものです。親の知らないところで友達を作っている可能性もあります。
「そんなことはない。子供が話せる相手は3人だ」と親が言い切れるとすれば、子供の交友関係に踏み込みすぎていると思います。
この年頃の子供は、親の知らない世界をいくつももつのが当たり前なのです。
きょうだいがいなくても、友達がすくなくてもいいじゃないですか。本が好きで、勉強が好きで、穏やかな優しい子なのです。自慢のお子さんです。
中学生になったら、パソコン部などに入るといいかもしれませんね。「みんなで力を合わせて目標を達成する」という活動より、「同じ趣味の人が集まって、それぞれの好きなことを認め合う」という部活の方が合っているように思います。
いまの子のままで輝く方法はいくらでもあります。
何かを育てることが上手な人は、待つ力のある人です。そして、「待つ」ということは「信じる」ということと同じ意味です。
子供というのは、土にまみれた球根のようなものです。どんな花が咲くのかわからない。けれどきっと美しい花が咲くに違いない。
それがいつになるかは分からなくても、きっとそうなると信じて、水をやり、ときには肥料を少し与え、日に当てて、大輪の花か小さくて清らかな花かと想像しながら「きっと咲くのだ」と信じて見守ることができる人こそ、子育ての上手な人です。
子供は、待ってもらっている時間の中で、その子のペースで内面を育てていきます。
自分の好きなものや得意を知り、世の中のルールを取り込み、自分の中の小さな誇りを育てていきます。十分に熟した野菜や果実がおいしいように、待ってもらうことで心の中を成熟させていくのです。
大切に育てた花が咲いたとき、親の喜びはいかばかりかと思います。けれど、そのときに気がつくのです。
本当に幸せだったのは、「どんな花が咲くだろう」と思いながら待つ時間だったのだ、ということに。
この内容は、川崎医療福祉大学特任教授、横浜市リハビリテーション事業団参与で、自閉症を持つ人々のための支援プログラム、TEACCH(ティーチ)を米国から日本に紹介するなど様々な経歴をもつ精神科医 佐々木正美先生の「この子はこの子のままでいいと思える本」の要約と一部抜粋です。
本書には他にも、気づきを与え、心を軽くしてくれる、子供の育て方に関する金言がたくさん載っています。
興味を持たれた方はぜひ一度手に取って見てはいかがでしょうか?