結婚生活は決していつでも順風満帆にいくわけではありません。性別、生い立ち、性格の全く異なる二人がすぐ近くに暮らさなければいけない以上、意見のぶつかり合いが必ず生じます。
夫婦円満を目指すには、夫は自分の意見よりも妻を優先させなければいけないことがほとんどです。
些細なことで小言を言われて日ごろからイライラが溜まっていることもあるでしょう。
そんなときに、子供が「ママ、前と言っていること違う。ウソついちゃダメなんだよ」というと、ついついそれに便乗して「そうだぞ。ちゃんと一貫性を持たなきゃ」といった、子供の援護射撃と妻へのうっぷん晴らしをすることがあります。
あなたが直接批判したわけではなく、子供の批判に乗っかっただけで、かつ、子供の味方をしているので「このぐらいはいいんじゃないか」と思いがちですが、これは、妻にとってはもちろん子供にとっても悪影響を及ぼします。
ここでは、子供の味方をして妻を批判すべきでない理由と、妻の味方をした場合のメリットについてまとめています。
子供が「お母さん最近太った?」と言ったときに「そうだぞ最近食べすぎだぞ。自己管理がなってないな」という便乗批判はついついやってしまいがちですが、これには大きなデメリットが2つあります。
批判されたり嫌なところを突かれて喜ぶ人はいません。「うっ、嫌だな」と思うのが普通です。
子供からの批判であれば「まだ子供なんだから」「大人が我慢しなくちゃ」と受け流す理由を見つけ出すことは簡単です。
ところがそこに夫が便乗してくると話は大きく変わります。「あなたに批判する権利はない」「横から口出ししないで」「うるさい」「黙れ」という感情が沸き起こります。
結果として、ストレスは増大し、家庭内の雰囲気が一気に悪くなります。
子供は親の行動をスポンジのように吸収します。親が自身の行動や発言を意識していようがいまいが、子供にとってはそれが教育なのです。
夫が子供に便乗批判をした場合、子供は次のようなことを学びます。
子供がこのような感覚を身につけてしまうのは、その子の人生にとって非常にマイナスです。
家で親を批判するということは、学校で友達や先生を批判するということです。大人になってからもその態度は変わらないかもしれません。
夫の何気ない便乗批判が子供の人生を台無しにしてしまいます。
そもそも、子供と親の関係に関わらず、いついかなるときでも便乗批判をしてはいけません。
なぜなら、便乗批判すると人間関係が悪化するだけだからです。
仮にあなたが誰かに責められているとします。その人があなたを責めている理由はごもっともかもしれません。
そこに、第三者がやってきて「そうだそうだ。お前が悪い」とわめきたてたらどうでしょうか?
「関係ないくせに」「口出すな」「黙ってろ」「うるさい」「ふざけるな」といった感情が沸き起こります。
つまり、便乗批判をしたところで状況が改善することはなく、むしろ悪化するだけです。
このため、親なら子供に「便乗批判はよくないんだぞ」というのを身体を張って教える必要があります。
子供が妻を批判したときに、その批判に便乗せずに、妻をえこひいきすることにはたくさんのメリットがあります。
夫が「大切なお母さんに、そんなこと言ったら傷つけてしまうから、だめだぞ」と言えば、当然、妻は「夫が味方してくれてる」と感じ、ストレスが大きく軽減します。日々の疲れもとび、夫への愛情や信頼も増します。
ですがプラスの効果は妻に対してだけ発生するものではありません。子供の教育や成長に対しての好影響を与えます。
子供は親の発言と行動から、「これは酷い言葉で相手を傷つける」「大切な人を批判してはいけない」「夫婦とは批判しあう関係ではなく、支え合う関係だ」ということを学びます。
これは、子供が社会に出て充実した人生を歩むために非常に大きな財産になります。
つまり、子供が親を批判したときは、子供のためにいい教育をする絶好の機会ということです。
子供が「ママ、この前と言っていることと違う」という批判をしたとき、例えそれが合っていたとしても便乗批判をしてはいけません。
どんなに正しくても便乗批判することで、思いやりや人生を円満に歩む思考方法など、生きていくうえで正しさよりも大切なことを失くしてしまいます。
子供の主張が正しいときは「〇〇の言うとおりだな」と認めます。それから、「でも、お母さんを批判しちゃいけないぞ。お母さんのことを悪く言ったらお父さんが許さないからな」と言って、妻をひいきします。
子供の主張を承認することも大切な教育なので、忘れないようにしましょう。
子供を溺愛している夫は、子供の主張ではなく妻の味方したら、子供に嫌われるんじゃないかと心配するかもしれません。ところが、その心配は杞憂です。
子供ではなく妻の味方をしたときに、子供の心に芽生えるのはあなたに対しての不信感や軽蔑ではなく、尊敬です。
「私のお父さんはお母さんをとても大切にしている」「私のお父さんがお母さんを優しく守っている」と感じられることの方が、子供の心に誇りを与えます。
逆に、子供を溺愛するあまり子供の味方ばかりをしていると「パパは私の言う事はなんでも聞いてくれる」「パパの前なら何言ってもいい」という間違った思考に陥りやすくなります。
さすがにその態度や発言を見かねて「いい加減にしなさい」というと「パパは私に味方してくれると信じてたのに」という信頼感が一気に崩れ、関係性が途端に悪化します。
子供をどんなに溺愛していたとしても、思いやりや、妻や家族を優先したり、それを教えることを忘れてはいけません。
むしろ、溺愛しているからこそ、生きる上で大切なことを子供に教えてあげるべきなのです。
溺愛し常に子供の味方をすることは、子供の成長の機会を奪うことでもあります。
子供が妻を批判したときに、妻をえこひいきする言葉には次のようなものがあります。
子供の妻への批判がどんなに正しくても、妻を優先することは「自分の正論が、この世で一番重要なことではない」ということを、愛情をもって教えてあげることでもあります。