10歳以降の小学校高学年、中学校あたりから始まる反抗期。
あんなにカワイかった子供がいつの間にやら、「うるせえ」「黙ってろ」「くそババア」「くそジジイ」「消えろカス」「死ねボケ」なんてヒドい言葉を口にするようになった。。
更にヒドくなれば壁に穴を開けたり、包丁を持ち出して「ぶっ殺すぞ」と叫んだり。
直面している両親からしたら、まったく笑えない、どうしてもいいかすらわからないカオスな状態。。
こんな息子や娘に困ってる親御さんも多いのではないかと思います。
そんな大変な反抗期も、なぜ子供には反抗期があるのか?や反抗期の子供に対応する心構や親できることを知れば、状況を改善していくことができます。
そもそもなぜ反抗期があるのか?を見ていきましょう。
反抗期は10歳以降の小学校高学年、中学校あたりから始まります。
この頃の子供の身体は急激に変化していきます。身長もこの頃に伸びる場合が多く、中学の時の身長がその後もずっと同じという人も多いと思います。
更に、大事なところに毛が生えてきたり成長したりして、女性の体型がより女性らしくなり、男性の体型もより男性らしくなります。
これだけ急激な体の変化を起こすために、体内ではこれまでなかったがホルモン分泌されたりと、ホルモンバランスが大きく崩れています。
体内のホルモンバランスが崩れれば、本人の意思とは関係なく精神的にもとても不安定な状態になります。
体の急激な変化で精神的に不安定になるのは大人も同じです。
例えば、妊娠し赤ちゃんを育てるために体の胃や内蔵などの臓器の場所が大きく変化し、お腹が大きくなるときもホルモンバランスが崩れます。
出産後は子供を体内で育てるためのホルモン分泌から、授乳するために母乳を作り出すためのホルモン分泌へと変化し、お母さんは自分の意思に関わらず精神的にとても不安定な状態になります。(産後ブルーズの状態です)
つまり、反抗期の子供は、産後のお母さんと同じぐらい精神的に不安定でストレスの溜まりやすい状態にあるのです。
妊娠中や出産後のママであれば、仕事を休職できる社会制度が整っていたり、状態を見てくれる助産院があったり、周りに理解があれば手厚いサポートが受けられたりということがあります。
しかし、子供は義務として学校に行かなければいけません。
そして、その学校は多くの子供たちにとって、好きなことができ、心休まる楽しい環境ではありません。
誰しもが経験した道ですが、小学校高学年、中学校のときは大人に比べたら上手くできないことがたくさんありますよね。。
さらに、会社は同じ一つの業界、同 一つの目標に向かう人たちの集まりですが、学校は人によって目標も目指してるところもてんでバラバラ。
社会に出たら全く関わる必要性すらない人たちとも、学校では同じ一つの空間に詰め込まれて1日の大半を過ごさなければいけない。
改めて見てみると、子供はかなり過酷な状況に置かれているのです。。
身体になんの変化もなく、調子も万全であれば、こういったストレスもなんとか耐え切れるかもしれません。
でも、この時の子供は体内の変化に精神がついていけず、ストレス耐性はとても弱い状況です。
この学校で受けるストレスは半端ないものです。
加えて、家に帰っても、「勉強しなさい」と言われたり、あれはダメ、これはダメ、とたくさんの制限もかけられる。
これだけのストレスを抱え込んでいる中で、どこかでそのストレスを発散しなければ、その子自身がおかしくなってしまいます。
結果、それのストレスが暴言や素行の悪い行動として出てくるのです。
これが反抗期の正体です。子供がイライラして自分を抑えきれず「うるせえ!!!」「黙ってろ!!!」なんて言ってしまうのもわかる気がしますよね。。
大人がもしその子供の立場だったらどうでしょうか?
会社のとある部署に配属され、同年代の人が30人いる。自分がとてもやる気があって、会社の目標に貢献しようと頑張ってるときに、まったくやる気がない人や、邪魔してくる人、陰口を言ってくる人がいる。(逆パターンでは、興味もやる気もないのに、ウザいぐらいに強制してくる人がいる)
女性のリーダー格、男性の裏番長みたいなのが複数人いて、グループがいくつかできて派閥争いが耐えない。
さらに、仕事内容もこれ将来意味あるの?といった意義を感じられない業務が大量に降ってくる。
ことあるごとに成績評価・面談が実施され、その成績が全体に貼り出される。
そして、何かに挑戦したいと上司に言うと、「お前にはまだ早い」と言われる。
家に帰ったら旦那や嫁や姑に「仕事やりなさい!」と言われる。こ
れだけでも、ストレスで窒息しそうですね。
それに加えて、体調がすこぶる悪く、頭痛が絶えず自分の感情や精神を保つことですらいっぱいいっぱい。
お金もないから、カフェやレストランにも行けない。欲しい物も思うままに変えない。旅行にも行けない。。
こんな状況の中でストレスを溜めずにいられますか?ストレスを発散することなく自分が壊れずにいられますか?
無理ですよね、、どこかでイライラが爆発するか、自分がぶっ壊れるかのどちらかになりそうですよね。。
子供の状況がわかったところで、反抗期はいけないことななのか?を考えてみます。
結論からいうと、反抗期は決していけないことではありません。
体が急激に変化し多大なストレスに晒されている子供が、自分が壊れないようにストレスを吐き出す防衛反応です。
ストレスを受け入れるキャパが残っていないので、何か言われれば反抗している状態になってしまうのです。
反抗期は子供が必死に成長しようとしている姿なのです。
逆に、ストレスを発散しない場合は、そのエネルギーは自分を責める方向に向けられ、私なんて存在しないほうがいい、、という思いに取り憑かれてしまい、最悪の場合、リストカットや自殺といったことにつながってしまうかもしれません。
大人でも、会社などで過度なストレスがあった場合に、ストレス発散できればその人は自分を保っていけますが、ストレス発散できないとうつ病の方向に進んでいってしまいます。
なので、子供がストレスを発散するというのは自分の存在を維持するためにも重要だといえます。
もちろん反抗期が来ない、あるいは、とても小さい反抗で終わる子もいます。
パターンとしては大きく2つです。
1. ストレスをほとんどうけていない。
2. ストレスが発散できている。
ホルモンバランスが崩れている成長期でも、毎日長時間ぐっすり寝て、家で思うようにできて、学校でも思うようにできて、嫌な友達もいなく、ガミガミグチグチ言ってくる人もいない。
そんな環境にいる子供はストレスに対するキャパが残っているので、ヒドく荒れ狂う子は少ないです。
大人でも、体調が悪いときでも、周りがめちゃくちゃ優しくてくれて、いろいろ手伝ってくれて、残業もなく、家でゆっくり休める時間が十分に確保できるなら、ストレスで怒り狂うことがないのと同じです。
もう一つのパターンは、スポーツ、音楽、、ダンス、部活など、自分が全身全霊をかけて打ち込めるものがある場合です。
自分のやりたいこと・熱中していることのために朝早起きして、学校に行くまで朝練して、昼休みになったら昼練、夜になったら、体力の続く限り全力でやり続ける。
楽しくて楽しくてアドレナリンが出まくっってしょうがない状態です。少しでもエネルギーがあるなら、やりたいことに回したいと考えます。
家に帰る頃には、たまっていたストレスもすべて発散しきっていて、家族や周りに当たるエネルギーなんて残っていません。夕飯食べて、お風呂入って、寝るので精一杯です。
そして翌日も同じことを繰り返す。
こういった子は反抗するエネルギーを他に転換できているので、1日の中で他の子と同じだけのストレスがあったとしても反抗期とはみなされないでしょう。
では、親はそういった多大なストレスを抱えている子供に対して何をしてあげられるのでしょうか?
子供の状態に頭を悩ませすぎて自分がいっぱいいっぱいという人は何ができるのでしょうか?
方法は大きく3つあります。
1. 子供のストレスを緩和する。
2. 子供のストレスを発散させる。
3. 自分が考え方(受け止め方)を変える。
1、2は反抗期がない子供の特徴でもあるので、その環境を親が作ってあげることで状況を改善できる可能性が高いです。
ただし、親だって仕事があって、家事があって、他の兄弟・姉妹の面倒も見なければいけなくてとても忙しい。私だってストレスまみれでそんなキャパない。という人も多いと思います。
さらに、友達との関係性や好きな異性など、親がどんなに頑張ってもなんともできない要素や、親が干渉するべきでない要素もたくさんあります。
そういった場合は、子供は変えられないので、反抗期の子供に対する自分の考え方をガラっと変えるしかありません。
どの方法をとるにしても、労力もエネルギーもかかるので、子供に対する大きな愛情が必要になります。
まずは、反抗期の子供が精神的にとても不安定で、学校でも多大なストレスを受けていることを理解して、共感を示してあげましょう。
「あれしなさい」「これしなさい」「あれはダメ」「これはダメ」、、、こんな言葉ばかりかけていたら子供のイライラは更に促進し、爆発のエネルギーを高めるだけです。
次のような思いやりのある言葉をたくさんかけてあげましょう。
ただし、なんでもかんでもいいよと甘やかすのではなく、しんどい時期であるということに共感して、少しでも気分がよくなるようにできることをやってあげるという接し方をするということです。
子供もそうやって接してもらえれば、たとえ口や態度で反抗していたとしても、「お父さん/お母さんは私の状態を理解しようとしてくれて、優しく接してくれている」と愛情を感じてくれるはずです。
2つ目は子供が溜め込んでいるストレスを発散できる環境を整えてあげることです。
ストレスは爆発的なエネルギーであり、子供はそのエネルギーを発散する場所が見つけられず家で当たり散らしているので、そのエネルギーを他のことに向けて、逆に成長の起爆剤として使ってあげるパターンです。
大事なのは、親がこれがいいと思うことを押し付けるのではなく、子供が「私これがやりたい」ということをやらせてあげることです。
やりたいことを見つけるのは簡単なことではないので、色々と試してみることが必要になり、時間も労力もかかるかもしれません。
また、やりたいことに打ち込むために、他に犠牲にしなければいけないことも出てくることもあります。
親もそれを受け止める覚悟が必要になります。
藤井聡太プロやイチローなど競技やスポーツで大成功をしている人は、親がそれに熱中することを許し、何より身近で一番応援しています。
仕事を終えた後や休日はずっと練習に付き合ったり、試合があれば送り迎えしたり、集中できるように精一杯サポートしたり、そうやって親が環境を整えてあげることで、ようやく子供がやりたいことに打ち込めるようになるのです。
「子供のストレスを緩和する」こと、「子供のストレスを発散させる」こと、どちらもとても素晴らしいことですが、現実的にはそんな時間ない。こっちだってストレスまみれでそんな余裕ないという声が聞こえてきそうです。
その場合は、反抗期の子供の発言や態度に対する自分の考え方を変えるしかありません。
反抗期の原因は、体の成長に伴うホルモンバランスの変化で精神的に不安定になっていること。そこに、学校や家など日常でのストレスが積み重なったものです。
それは自分の意思でコントロールすることがとても難しいものです。それでも、子供たちはそんな難しい状況の中でなんとか自分をコントロールしようとしているのです。
それに、溜まってしまったストレスは発散する以外に方法はありません。発散しなければそのエネルギーが自分を責める方向に向かって、生きていてもイミない、、となってしまいかねません。
なのでストレスの発散は必須なのです。
それでも子供の言動を見ても、抑えきれないぐらいのストレスを自分でなんとかしようとしているのがわかります。
「うるせぇクソババア」と言っても、言うだけで暴力を振るうなど危害は加えません。ちゃんと自分をコントロールして自制しています。
「テメェ、ぶっ殺すぞ!」と言っても、言うだけで決してぶっ殺したりしません。ちゃんと自分をコントロールして自制しています。
壁を殴って家に穴を空けたとしても、両親のことは殴らないよう、ちゃんと自分をコントロールして自制しています。
台所から包丁を持ち出して「ぶっ刺してやるからな!」と言ったとしても、最終的には包丁を投げ捨てて学校にいきます。ちゃんと自分をコントロールして自制しています。
子供は大変な中でも冷静に自分をコントロールしようと頑張っているのです。必死に成長しようと頑張っているのです。
また、親が過去そして現在の反抗期も子供に愛情を持って接していれば、育ててもらっていることや、心配してくれていることを感じて愛情を受け取っています。ただ、愛情を素直に言葉に出せる状態ではなく、裏腹な言葉が出てしまっているのです。
なので、ここは大人が自分の考え方や受け止め方を大きく転換すればいいのです。次で転換の例や対応方法を見ていきましょう。
あー、「大好き」って言われてるんだな~。と思えば、むしろ反抗期の子供がカワイイな~と思えてくるはずです。
そう、「家は消耗品」なのです。反抗期の子供が家にいたら、壁に穴が空いて当たり前だと思いましょう。
子供が巣立って、いつか余裕ができたら直そうかな~ぐらいの気持ちでいれば、あなたの精神が疲弊していくこともなくなるでしょう。
子供の成長を喜びましょう。「ぶっ殺すぞ!」といってくる子供を「おーおめでとう!」と喜んで受け入れてお祝いすれば、子供も自分がイライラをぶつけていることに違和感を感じ、反抗する気もしぼんでいくはずです。
イライラしている子供に対して、親がイライラ、心配、不安といった気持ちで対峙すれば、子供のストレスや不安はよけいに増幅してしまいます。
子供が、学校や家で思い通りにいかなくてイライラして、親を脅して思い通りにさせようとする場合もあります。
「ぶん殴られたくなければ金をだせ!」
こんなことを言ってくるかもしれません。その時は、脅しにのってお金を出してはいけません。それをしてしまうと、子供にとっての成功体験になってしまい、お金が欲しくなったら脅せばいいという思考が染み付いてしまいます。
親としても怖いことはもちろんだと思いますが、毅然とした態度で「ふざけるな!」と怒鳴り返すことが必要です。
子供のためにも勇気を振り絞って、脅すことでは思い通りにいかない、という教育をする必要があります。
あまりにも反抗期がひどくて、手がつけられない場合は周りを巻き込みましょう。周りにヘルプを出して、助けてもらいましょう。
世間体なんか気にしてる場合ではありません。
うちの子がこんな状態になってるなって周りの人達に知られたくないと思うのは親のエゴです。子供より自分がどう見られるかを気にした感情です。
本当に子供のことを思うなら、自分が周りからどう思われるかを気にすることをやめて助けを求めましょう。
その結果、周囲にあそこのうちは、、、と噂されたとしても、
子供のために本当になんとかしてあげたい。私にできることはなんだってやる。周りからなんと思われたっていい。そうやって子供への愛情で行動したあなたのことを、子供は必ず分かってくれます。
「お母さん、お父さん、ごめんね。私/僕のために本気になってくれてありがとう」と心の底から思う日が必ずきます。
現在の日本の義務教育や社会の中では、子供の反抗期を回避することは難しいでしょう。
今大人になった人も、子供を産んで親になった人も、きっと反抗期を経験したことのある人がほとんどだと思います。
私にも反抗期がありました。学校のこと、友達のこと、勉強のこと、将来のこと、イヤなことがたくさんあり、ストレスもたくさんたまりました。コントロールできず散々悪態をつきました。家の壁も壊しました。でも、そんな中でも真っ直ぐ向き合い、見捨てずにいてくれた両親には感謝の気持ちしかありません。
とても大切な存在だと心から思っています。
そして、妊娠中や出産後に女性がホルモンバランスの変化で精神が不安定になることを知ったり、成長期の子供の状態もホルモンバランスが大きく変化していることが要因であることを知ったり、社会人を経験して学校と比較してみたりして、大人になった今なら、反抗期の子供の気持ちが少しは理解できると思います。
思春期に命がけでストレスと戦っている子供には、こちらも全力で臨むしかないと思います。親が逃げて、回避できるものではないのです。
きっと、産後クライシスを共に乗り越えた夫婦が深い愛情を得られるのと同じように、
反抗期というクライシス(危機)を共に乗り越えた親子が深い愛情を得られるのだと思います。
「ピンチはチャンス」
「死ねやボケ」は「生きて!大好きだよ☆」
「家は消耗品」
そのマインドをしっかり持って、子供が反抗期を迎えたら、赤飯を炊いて家族みんなで祝いましょう。
反抗期もいつか笑い話になればいいですね^^
それにしても、産前・産後の女性の状態や産後クライシスのことだって知らなければ対応できないのと同じように、子供の成長期の状態も知らなければ対応できないので、そういう大事なことを学校で教えて欲しいです。
そうしたら、余計なストレスに晒される人はかなり減って、幸福度も上がると思います。お金ばらまいて黙らせようとするのではなくて、根本の原因を解決するようにすればいいのに。
今回の記事は12人の子どもを育てているyoutuber、「助産師HISAKOの子育て学校」のHISAKOさんとMARKさんから大いに学ばさせていただいた内容です。
僕自身、妻の妊娠前から妊娠中も、妻と口論したり、相手の実家まで行って離婚を直談判したぐらい夫婦関係に悩んでいました。
そんなときに、妻からHISAKOさんとMARKさんの存在を教えてもらって、本当に助けてもらいました。お二人、そして存在を教えてくれた妻にとても感謝しています。
まだまだ稚拙で未熟ですが、1つずつ学び、学んだことを同じ悩みを持っている方々に共有することで、この世の中に少しでも幸せになれる人が増えたらいいなと思います。
お二人の動画、とてもいいものばかりなので、ぜひ見てみてください!
それにしてもHISAKOさんが45歳超え、MARKさんが60歳超えの事実が驚愕。
HISAKOさんは若くて美人でスタイルよくて綺麗で明るくてパワフルだし。
MARKさんも若々しくてしゃべりうまくて広い広い心の持ち主で、しかも会社をいくつも起こしててビジネスセンス抜群でいろんな国の言葉しゃべれるとかスゴすぎ。。