赤ちゃんが4か月を過ぎたぐらいの頃から、これまでの3時間おきに起きて授乳という生活から解放され、徐々に大人と似たような睡眠のリズムになってきます。
ようやくまとまって寝れるようになると思うのも束の間、今度は夜なかなか寝てくれない、寝る前に異常と思えるほどギャン泣きする、日によって数時間おきに泣いて起こされることも珍しくありません。
ようやく寝たと思うと数時間後に急に「ふえーん」と言って泣き出す。まだ授乳して寝かしつけてから1,2時間しか経ってないのにもう!?と思って、また抱きかかえて授乳をして寝かしつける。
睡眠時間が足りないと体や脳が回復できずストレスが蓄積していくものです。
お母さんのイライラはMAXとなり、パートナーにあたって家の中が険悪ムードになったり、子供に「なんで寝てくれないの!」とあたってしまうのも無理はありません。
赤ちゃんがなかなか寝てくれなかったり、睡眠の質が低く急に泣いて起きてしまう原因は旦那にあるかもしれません。
ここでは、世の中のがやりがちなお父さんの5つのNG行動についてまとめています。
結論からいうと、次の5つは子供の睡眠の質を破壊します。
子供が夜しかりと寝るリズムを整えるためには、上の5つの項目が全てなしになっていなければいけません。
あなた(あるいは旦那さん)は何個ひっかかるでしょうか?
子供の夜泣きに関する研究の結果、夜なかなか寝付けなかったり、夜泣きの主な原因の1つは体内時計の乱れであることがわかっています。
昔は太陽の明かりと共に起きて、太陽が完全に沈んで夜になることで体内時計が整っていました。つまり、子供だけでなくヒトにとってベストな生活リズムとは日の出とともに起きて、日が沈み真っ暗になったら寝るという生活です。
ですが、現代では家の中のそこかしこにライトやスマホ、テレビなどの明かりがあり、体内時計が壊れやすくなっています。
仕事に出ているお父さんが本来真っ暗である19時以降帰宅することは珍しくありません。そして、帰宅したお父さんの行動によって赤ちゃんの良質な生活リズムが破壊されることになります。
「帰宅後に寝ている子供を起こす」「夜8時以降に子供をお風呂に入れる」「寝室のそばで大音量でテレビを見たり、笑い声を出す」という行動をすると、子供はいつが夜でいつ長く寝るべきなのかがわからなくなってしまいます。
子供も大人と同じく、睡眠の質が悪くなればストレスがたまります。ストレスが溜まればよく眠れなくなったり、真夜中に起きてしまうといった悪循環につながります。
私たちの身体は光によって体内時計が調整される仕組みになっています。
朝起きたときに日光を浴びることで、眠気を作り出す物質 メラトニンの元となるセロトニンを生成します。それが、日が落ちてあたりが暗くなると、セロトニンがメラトニンに変わり眠気が来て眠る仕組みです。
ところが、スマホの光や照明の光など夜本来寝る時間に光があると、いつ寝るべきなのか体がわからなくなってしまいます。
特に、スマホやTVのブルーライトは人にとって強力な光です。
就寝前の子供の相手が大変だからといって、スマホやテレビを見せて気を紛らわせることが、夜の睡眠の質低下につながります。
子供に限らず人がねるためには起きているときに活発な「交感神経」から、リラックス時や就寝前に活発になる「副交感神経」に切り替える必要があります。
このため、子供を寝かせるときには19時半までに食事、お風呂、着替え、歯磨きなど全てを終わらせて、20時までの30分間は、間接照明だけの薄暗い部屋で神経を「起きる」から「寝る」へ徐々に切り替える必要があります。
この切り替えが上手にできないと、上手く寝ることができなかったり、睡眠の質が低くちょっとしたことで直ぐに目覚めてしまうようになります。
このため、スマホを見せて子供を興奮させたり、激しい遊びをしたり、大声や物音で興奮させてはいけません。
では、仕事で忙しいお父さんには子供と触れ合う時間もないし、何もしてはいけないのかというと決してそうではありません。
仕事で忙しいお父さんにも子供のためにできることがあります。次の4つの行動は子供の体内時計を整えるためにとても効果的です。
就業時間に合わせて毎朝規則正しく生活しているお父さんができることに「子供とお母さんの朝起きる習慣作り」があります。
朝7時になったら、部屋の電気をつけて、寝室のカーテンを開けて日の光をいれます。子供とお母さんの体内時計を整える重要な働きをします。
あくまで自然に起きれるようになることが大切なので、寝ている子供を急に抱き上げたり、大声を出したり強く揺さぶって起こしてはいけません。
夜よく寝るためには、朝どうやって起きて、日中に何をするかがとても大切です。夜の睡眠の質は朝にかかっているといっても過言ではありません。
朝起きるのを失敗して昼まで寝てしまえば、もちろん体内時計が崩れます。体内時計が崩れたら夜になったら寝るという習慣も崩れてしまいます。
このため、朝起きたら日の光を浴びる、そして目が覚めたら徐々に活動的になっていくことが大切です。
もし出勤までに時間があるなら朝の10~30分を利用して子供と外を散歩するのも効果的です。
朝食の準備などで忙しいお母さんのためにもなります。
仕事が大変なのもよくわかります。家族のために働いてお金を稼いできているということもよくわかります。
ですが、子育ても思っている以上にハードなのです。いうことを聞かず泣きわめく赤ちゃん、何をしたいのか言語化できない子供と1日中関わっていなければいけません。
目を離すと危険なので、料理するときもおんぶして家事をしなければいけないこともあります。
これは、背中に5~10㎏ほどの重りを背負って、何を言っているのかわからないクレーマーと一日中つきあう仕事と同等レベルです。
更に本来体を回復させるはずの夜は、子供が上手く寝てくれない、夜中に急に泣いて起こされるという状況で、体の疲れとストレスが抜けず蓄積し続けていきます。
そんなお母さんのためにお父さんができることは、休日に子供の相手をしてお母さんが一人で散歩できる時間を作ってあげることです。
子育てで悩んでいるお母さんにとって、子供を抱かずに外に出れて「体が軽い!」を感じることはストレスが発散できるリラックスタイムになります。
逆に、そういった時間が一切ないと、ストレスで押しつぶされてうつ病になるか、たまったストレスを家庭内で発散して、パートナーとの仲が険悪になったり、家の中が最悪なムードになってしまいます。
朝忙しい中で時間を見つけて子供の相手をしたり、休日に子供の相手をするためには、お父さん自身の体調が整っていないといけません。
毎日寝不足でストレスが溜まっている状態では、更に新しい何かをする気力が生まれません。「やりたくない」「めんどくさい」という気持ちが芽生えて、子供を雑に扱ったり、お母さんと衝突する原因にもなります。
そうならないためには、仕事がある平日の状態から、自分自身の体内時計をしっかりと整えて、睡眠時間を確保し体調を整えておく必要があります。
世界最高峰のアメリカのスタンフォード大学の研究でも睡眠時間が重要であることが明らかになっており、頭がよく最高の成績を残している人には良く寝ている人が多くいます。
最近では8時間睡眠は成功のステータスと言われているぐらいです。
この記事の内容はお茶の水女子大学や東京大学大学院で子供の夜泣きを専門に研究している清水悦子さんの「赤ちゃんにもママにも優しい安眠ガイド 0歳からのネンネトレーニング」の内容の一部を要約、抜粋したものです。
ここに記載している内容以外にも赤ちゃんを安眠に導くためのわかりやすい方法が様々紹介されていますので、赤ちゃんの夜泣きに困っている方は是非手に取ってみることをお勧めします。
大人と赤ちゃんの生活習慣を整え、大きなストレスから解放してくれるバイブルになること間違いありません。