「当事者意識を持つ」や「圧倒的当事者意識」といった言葉を耳にしたことがある人も少なくないと思います。
特にビジネスの世界においては当事者意識を持つことが自発的な行動やモチベーションにつながるため重要視されています。
ですが「当事者意識を持て」と言われて、なんとなくわかるけどイマイチピンとこないという人は少なくありません。
ここでは、当事者意識とは何か?どうすれば当事者意識を芽生えさせることができるかについて解説しています。
当事者意識とは「自分が関係しているという自覚」のことです。
「私がやらなきゃ」「自分の行動が結果に影響する」と考えている人は当事者意識があります。
一方「私は関係ない」「私が行動したところで意味ない」と考えている人は当事者意識がありません。
つまり、当事者意識とは自分以外の物事を自分事として認識できる能力といえます。
「自分がなんとかしなければ」という意識なので「責任感」ともいえます。
「当事者意識を持つ」や「圧倒的な当事者意識」といった言葉が一人歩きしていますが、そもそも当事者意識の対象はとても幅広いです。
例えば、会社、組織、目標、お客さんとの関係性、物品管理などなんにでも当てはまります。
このため「当事者意識」と言われるとなんとなくはわかりますが、イマイチピンとこない状態になります。
「目標に当事者意識を持つ」と言っても、「会社の長期目標」なのか「自分の短期目標」なのかでも違います。自分の短期目標には当事者意識を持っているけど、会社の長期目標には持っていないということもあります。
まずは、「当事者意識」の意味を理解してもらうには、物事を細分化して具体的に何に当事者意識を持ってもらいたいかを伝えます。
対象が決まらない事には、自分が何に責任を持つべきかを結び付けることはできません。
次に、その対象とその人の関係を結び付けます。
飛行機の操縦車は「圧倒的な当事者意識」を持っています。なぜならミスると自分が死んでしまうからです。この場合、「自分の命」と「飛行機の操縦」が結びついているからです。
このように自分と直結することはわかりやすいのですが、そうでないものは結び付けられるように周りが誘導してあげる必要があります。
例えば、「地球環境に当事者意識を持って」と言われるとピンとこない人は少なくありません。「自分が何かしたところで」と考えてしまいます。
ですが、次のようにその人の生活と地球環境の問題を結び付ければ当事者意識が芽生えます。
「みんなが少しづつ出す二酸化炭素で地球温暖化が発生してその影響が日本にもきている。大雨は温暖化によるもので、先日うちの近所の土砂が崩れてその下に住んでいる人が巻き込まれた。
うちの裏山も危ないかもしれない。もしかしたらあなたの住んでいる場所や、あなたのご家族が住んでいる場所だってそうなる可能性はある。
そこに住んでいなくても、たまたま道路を走っているときに土砂崩れに巻き込まれてしまう可能性だってある。
将来の私たちの子供が暮らす地球からそういったリスクを失くすためには、私たち一人ひとりが環境問題を意識し変えていかなければいけない」
このように説明されれば、自分の実生活や子供たちの未来を想像して自分事として考えられるようになります。
当事者意識とは「自分が関係しているという自覚」のことです。
このため「自分には影響力があるんだ」と自覚してなければ、当事者意識は生まれません。
自分には影響力があることを知るには、逆説的にその物事がその人の人生に影響を与えることを知る必要があります。
「自分の人生にどう影響してくるか」を知ることが当事者意識を芽生えさせます。
「当事者意識を持って欲しい!」と思ったら、まずはその人と、対象の物事があなたの人生にこういった影響を及ぼしますよということを説明することがカギとなります。