会社を経営する目的は人によって様々ですが、トップが楽して稼ぎたいという精神で臨んでいるのであればその企業は間違いなく失敗します。
なぜなら、トップの行動は楽して稼ぎたいという思いに基いたものになります。そしてトップの行動は会社全体の規範になるものです。
上が楽して稼ぎたいという行動をとっていれば、下も楽して稼ぐという姿勢に染まっていきます。楽をして手を抜いていれば、他社と比較して優位に立てるいい商品やサービスを生み出すことはできません。
では企業のトップとはそもそもどうあるべきなのでしょうか?
企業のトップは責任が多く誰よりも忙しくなることはやむを得ないでしょう。
とくに創業したての頃は、かなりの長時間労働や、不十分な睡眠時間、プライベートの誘いに応じることができないという犠牲はつきものです。
それだけの苦行を耐え抜くだけの情熱、意志の強さ、粘り強さが必要となります。
情熱を傾け、一心不乱に取り組むためには、それと同じだけの熱量で夢の実現に向けて頑張ってくれる仲間(従業員)を見つける必要があります。
その時のトップの姿勢は「ついてこい!」です。
トップこそが矢面に立ち、先頭で皆を引っ張て行く必要があります。
イスラエルの軍事指揮官は先頭を開始するときに、部下に対して「突撃!」とは言いません。
代わりに「アハライ!」と言います。「アハライ!」とは「俺についてこい!」という意味です。
参謀として一番奥の安全なところで、駒を動かして様子を見るのではなく、自分自身が先頭に立って突撃していくからこそ部下の士気があがり、チームがより高い成果を上げるようになります。
世界的な成功企業 Facebookの創設者 マーク・ザッカーバーグもアハライの実行者です。
あるときGoogleのCEOのエリック・シュミットがFacebookを訪ね、マーク・ザッカーバーグと対談をし、19時に帰ろうとすると、マーク・ザッカーバーグのアシスタントが夕食を運んできて、PCの脇に置きました。
そして、マーク・ザッカーバーグはデスクに戻り仕事を再開しました。
会社を引っ張るトップの並外れた情熱は成功のための最低必須要件です。
トップの行動が社員の行動の規範になります。
シリコンバレーの企業では、幹部が廊下を歩きながらゴミを拾い上げたり、創業者が毎朝デスクを拭いて回ることで、必要だがつまらない仕事を免除される偉い人は誰もいないことを示しています。
トップがこのような行動をとる理由は2つあります。
Panasonicの創業者で経営の神様とも言われる松下幸之助は、掃除を仕事と同様に重要なものとみなし、。「掃除を完全にするということは、一大事業である」「掃除ひとつできないような人間だったら、何もできない」といった言葉を残しています。
自らが率先してトイレ掃除をする姿勢を示した話も有名です。
この記事の内容はGoogleの経営陣 エリック・シュミット、ジョナサン・ローゼンバーグ、アラン・イーグル、ラリー・ペイジの共著「How Google Works ―私たちの働き方とマネジメント」の内容の一部抜粋と要約です。
一国家と同等な資金を持ち、世界中で知らない人はいないほどのGoogleという大成功企業の中で、
などなど、これからの時代に欠かすことのできない内容がギッシリ詰まった一冊です。堅苦しくなくユーモアがあり読みやすい文体ですので、ぜひ一読されることをお勧めします。