戦後の日本やバブル期などマネージメントの仕事は、業務の進行管理や社員が仕事をしているか監視するといった役割でした。
ですがその時代は既に終わり、現在のマネージメントの役割は業務面だけでなく、社員個人個人の管理も重要になっています。
期限ギリギリになってからの「できない」という報告や、びっくり退職、病んで来なくなるという状態に対応し、それらを未然に防ぐことも重要な役割です。
ここではマネージャーとして社員の心身の健康を管理する方法についてまとめています。
不安や緊張などの過度なストレスが溜まると、初期状態として次のような症状として現れます。
もちろん仕事には対人関係や期限があるため少なからずストレスが発生します。
ですが、ストレスを扱える量はその人の経験や性格、現在の状況によって大きく変わります。
このため、ストレスなどの心理的な異常が芽が小さいうちに発見し、摘み取るのがマネージャーの重要な仕事の一つです。
具体的には次のような質問をします。
上記の質問の回答が「問題ないです。寝れてます」であれば、現時点で大きなメンタル不調は抱えていないと判断できます。
「あまり寝れてないですが、昔からなので大丈夫です」という回答が返ってきたら「体調は問題ない?」と聞いてみます、そこで「体調も問題ありません」と返ってきたら、現時点で大きなメンタル不調は抱えていないと判断できます。
次のような答えが返ってきた場合はメンタル不調の兆候があります。
この場合は危険信号なので深堀りする必要があります。
「最近っていうといつ頃ぐらいから?」「睡眠は何時間ぐらい?」「病院は行ってる?」というように、その社員の状態を把握していきます。
仕事においてメンタル不調の原因になるのが業務量です。
業務量が多すぎれば睡眠時間が削られたり、プレッシャーに追われ多大なストレスを抱え込みます。
逆に、業務量が少なすぎることも物足りなさを感じてストレスになります。就業時間は職場にいなければいけないのにすることがないというのは思っている以上に苦痛です。
業務量の確認はシンプルに直接聞くのが一番いいです。
「業務の量や帰りの時間は最近どう?」と聞いてみます。
質問の結果「問題ありません」という回答であれば大丈夫です。
「業務量が多くていつも終電近くになってしまいます。現在の案件が手離れ悪くて大変です」という回答であれば、それが一時的なのか慢性的なのかを確認します。
一時的なもので社員もそう理解し、問題ないと考えているのであれば大丈夫です。
慢性的になっているのであれば、マネージャーが時間をとって次のようなヘルプをする必要があります。
仕事が終わらない原因は無駄な作業が多いことがほとんどです。
業務の無駄は、その人の進め方と、やろうとしていること自体の2つに潜んでいます。
1度確認したときに「大丈夫です!」と言っていたからといって安心してはいけません。人のメンタルはすぐに変わるものです。
ある時までは自分の目標と業務の内容が一致していたので、どれだけ残業してもモチベーションをた保って続けられていたのが、自分の中の目標と業務内容が変わったとたんに大きなストレスになることはよくあることです。
最初は小さいストレスが積もり積もってあるとき、心の糸がプッツと切れる不安や不満があふれ出すこともよくあります。
対処法はストレスが小さいうちに発見して吐き出してもらう以外に方法はありません。
「最近寝れてる?」「業務量はどう?」「帰りの時間は何時ぐらい?」という質問は1週間に1回は確認することです。
そして、少しでも危険な兆候があれば時間をとって話して吐き出してもらう必要があります。
そのように気をかけ、安心して心情を打ち明けられる環境を作ることが信頼関係の構築につながります。
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