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決算と法人税の確定申告の違い|それぞれで必要な書類まとめ

「決算」と「確定申告」は、どちらも会社の年度末に発生する重要なイベントですが、その目的と行う内容が明確に異なります。


決算と法人税の確定申告の違い

簡単にまとめると「決算」は会社の成績をまとめる作業であり、「確定申告」はその成績を国(税務署)に報告して税金を払う作業です。


それぞれで、報告の対象者や作成書類が異なります。

項目決算確定申告
目的年間の経営成績と財産状態の確定税額の計算と報告
主な対象株主、銀行、取引先、社内税務署、自治体(都道府県・市区町村)
主な作成書類・貸借対照表(B/S)
・損益計算書(P/L)
・株主資本等変動計算書
・事業報告など
① 税務署
・法人税申告書
・勘定科目内訳明細書
・法人事業概況説明書
・適用額明細書
・財務諸表

② 自治体
・法人住民税、事業税の申告書
・課税標準の分割に関する明細書
法律の根拠会社法、企業会計基準法人税法、消費税法 など


また、両方ともにおいて以下の書類の保管が義務づけられています。

保管が義務付けられている書類
  • 総勘定元帳・仕訳帳: 全ての取引を記録した帳簿。
  • 領収書・請求書・契約書: 取引の根拠となる証憑(しょうひょう)類。
  • 棚卸表: 期末時点の在庫を確認した記録。
  • 銀行通帳: 入出金の記録。

保存期間は決算の場合(会社法)は10年。確定申告の場合(法人税法)は7年です。



決算でやること

決算では、会社が1年間で「いくら稼ぎ(収益)」「いくら使ったか(費用)」を計算し、期末時点での「現金や備品の残り(資産)」や「借金(負債)」を明らかにします。

在庫の棚卸しや、減価償却費の計算、未払金の計上など、帳簿を締め切るための最終調整を行います。これを「決算整理」と言います。

整理した内容から「財務諸表(損益計算書や貸借対照表)」を作成します。これが決算書です

決算で提出する書類(決算報告書)
  • 貸借対照表(B/S): 資産・負債・純資産の状態を示す。
  • 損益計算書(P/L): 1年間の売上と費用の内訳を示す。
  • 株主資本等変動計算書: 純資産の項目の変動を記録する。
  • 個別注記表: 重要な会計方針などを文章で説明する。
  • 事業報告: 会社の事業概況や設備、役員の状況などをまとめた報告書。
  • 附属明細書: 決算書の内容をさらに詳しく補足する書類。


確定申告でやること

決算で出た利益をベースに、税金を計算するための「所得」を算出します。

実は、会計上の「費用」と税法上の「損金(経費)」は一致しないことがあります。例えば、交際費の一部や寄付金などは税金計算上は経費として認められない(加算する)といった調整が必要です。この調整を「申告調整」と言います。

調整後の所得に税率をかけ、法人税、法人住民税、法人事業税などの税金額を確定します

確定申告で提出する書類(決算報告書)

税務署へ提出する書類(法人税・消費税)

  • 法人税申告書(別表): 「別表一」から始まる一連の税額計算書類(通常、数十ページに及びます)。
  • 勘定科目内訳明細書: 預金や売掛金、借入金などの各科目の相手先や残高を詳細に記載したもの。
  • 法人事業概況説明書: 事業内容、売上高、従業員数などの概況を記載したもの。
  • 適用額明細書: 税額控除などの特例を受ける場合に必要。
  • 財務諸表: 上記の「決算で作成した書類(B/S, P/Lなど)」を添付します。
  • 消費税申告書: 消費税の課税事業者の場合、付表とともに提出します。


自治体へ提出する書類(住民税・事業税)

  • 法人住民税・事業税の申告書: 第六号様式や第二十号様式など。
  • 課税標準の分割に関する明細書: 複数の都道府県に事務所がある場合に必要。


セットで行う

決算と確定申告は基本的にセットで行います。

まず決算を行い、その内容を元に確定申告を行います。決算日の翌日から2ヵ月以内に確定申告と納税する必要があります

決算と確定申告の流れ
  1. 決算作業: 帳簿を締め、決算書を作成する。
  2. 株主総会での承認: 作成した決算書を株主に報告し、承認を得る。
  3. 確定申告: 承認された決算書を添付して、税務署へ申告書を提出する。
  4. 納税: 申告期限(2ヶ月以内)までに税金を支払う。

yuta