毎年1月の恒例行事である償却資産の申告。「書類の種類が多くて複雑」「eLTAX(エルタックス)の操作方法がよくわからない」と頭を抱えている担当者の方も多いのではないでしょうか。
特に、償却資産申告書や種類別明細書(増加資産・全資産・減少資産)の作成・送信までを電子で行うには、正しい手順の理解が欠かせません。
本記事では、eLTAXを使用してこれらの書類をスムーズに提出する方法を、初心者の方にもわかりやすく解説しています。
この記事を読めば、迷うことなく期限内に申告を完了させ、手書きや郵送の手間から解放されるはずです。
償却資産申告書(しょうきゃくしさんしんこくしょ)とは、「ビジネスで使っている資産(道具や設備)のリストを市町村に報告するための書類」です。
これは「償却資産税」という税金を計算するために使われます
資産のカテゴリーごとに合計金額を記入します。
償却資産の税額は、減価率など細かい計算方法があります。詳細は下記をご参考ください。
> 【償却資産税】償却資産申告書とは何か?計算方法を実例で解説|固定資産税との違い(償却資産課税台帳・減価率・減価残存率)
※申請時に記入するのは取得価額のみです。計算は自治体が行います。
「種類別明細書」とは、償却資産申告書に記載した合計金額の「内訳(中身)」を詳しく説明するための書類です。
市区町村が「具体的にどんな資産をいくらで持っているのか」を把握し、正しい税額を計算するために欠かせない書類です。
種類別明細書には以下の2つの種類があります。
新しく購入した資産や、自治体から送られてきたデータの内容に誤りがある場合に、「現在の資産リスト」として提出するものです。
資産の名称、取得年月、取得価額、耐用年数などを記入します。
これを提出することで、市区町村の課税台帳に、新しい資産が登録されます。
使わなくなった資産、捨てた資産、プライベート用に転用した資産をリストから除外するために提出するものです。
処分した資産の名称、以前の申告時に記載した取得年月、減少した理由(廃棄・売却・家事転用など)を記入します。
市区町村のリストからその資産を削除し、次回の税額を正しく下げるために使われます。
書類は全部で3つありますが、毎回全ての提出が必要なわけではありません。
「償却資産申告書」は必ず提出する必要があります。
種類別明細書は状況に応じて必要になります。
| 状況 | 償却資産申告書 | 増加資産 全資産用 | 減少資産用 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 初めて申告する場合 | ○ | ○ | 増加資産/全資産用には全ての所有資産を入力 | |
| 前年度の申告から増加した資産がある場合 | ○ | ○ | 別表には前年度の申告から増加した資産だけを記入 | |
| 前年度の申告から減少した資産がある場合 | ○ | ○ | 別表には前年度の申告から減少した資産だけを記入 | |
| 前年度の申告から増加した資産と減少した資産がある場合 | ○ | ○ | ○ | 増加資産と減少資産の別表をそれぞれ記入 |
| 前年度の申告から資産の変動がない場合 | ○ | 本表だけ記入。別表は不要 |
eLTAXの申告では、最初に「増加資産/減少資産」の登録を行います。
登録内容が自動で「償却資産申告書」に反映されるので、残りの必要な情報を入力していきます。
eLTAXにログインし「申告に関する手続き」を選択します。
「申告データの作成」を選択します。
提出先に「固定資産税(償却資産)」があることを確認します。(※ない場合は別途登録が必要です。eLTAXで後から追加できます)
「固定資産税(償却資産)」を選択します。
「増加資産/減少資産申告」を選択します。
全資産申告は、所有する償却資産すべての評価額を自らの電算システムで算出したうえで申告する場合に使用します。
eLTAX上で申告データを作成してく場合は「増加資産/減少資産申告」を選択します。この場合、評価額の計算は提出先の自治体が行います(一般的な方法)
(前年中に増加・減少した資産のみを申告します。ただし、初めて申告する場合は、増加資産のみの申告となります)
必要事項を入力します。
提出日や年度などを入力します。
「年度」は現在の年度を入力します。その年の初日(1月1日)時点で持っている資産を報告します。
「本表のみ」にチェックを入れた場合は、「増加資産登録」などの画面ではなく、様式選択の画面に移ります。
「決定 > 償却資産申告書」を選択し、署名・送信を行います。
「本表のみ」にチェックがない場合は、以下の処理に進みます。
「増加資産登録」を選択します。
必要事項を入力します。
「取得年月」と「増加年月日」は基本的に同じ日になります。
特殊な事情(建設期間が長い、未稼働など)がある場合は増加年月日は実際に事業用に使い始めた日付を入力します。
摘要欄は必須入力ではない場合が多いです。税務担当者がその資産の内容を正しく判断するための補足情報を書く際に使います。
減少資産がある場合は「減少情報登録」を選択し、対象の資産を入力していきます。
提出先にチェックを入れて「次へ」をクリックします。
「はい」をクリックします。
「OK」をクリックします。
登録した内容が自動的に「償却資産申告書」に入ります。残りの必要な情報を入力していきます。
右上に「有無」を選択する箇所があります。特殊なケース(税金が安くなるケースなど)に該当する場合に「有」を選択します。
本来の耐用年数(例:PCなら4年)よりも、激しい使用などで早く壊れることが明らかな場合に、国税局から特別に許可をもらって短く設定しているか。
特別に許可を受けていなければ「なし」です。
機械を24時間フル稼働させるなど、通常よりも激しく消耗するため、減価償却費を上乗せして計算する届出を出しているか。
通常は「なし」です。
宗教法人や学校法人が本来の目的で使う資産など、そもそも税金がかからない資産かどうか。
一般的な事業用資産であれば「なし」です。
「わがまち特例」や「中小企業経営強化法」など、特定の法律に基づいて「税金を安くしてもらえる(評価額を1/2にするなど)」対象の資産があるか。
認定を受けた最新の省エネ設備などを購入していない限り、基本は「なし」です。
国の補助金をもらって資産を買った場合(圧縮記帳)や、初年度にドカンと経費にする「特別償却」を確定申告で行っているか。
補助金等を利用していなければ「なし」です。
確定申告で減価償却費をどう計算しているか。
個人事業主は原則として「定額法」です。※届出を出して「定率法」にしている場合はそちらを選びます。
税務署に「青色申告承認申請書」を出して、青色申告をしているかどうか。
青色申告会に入っていたり、65万円(55万円)控除などを受けていれば「有」。そうでなければ(白色申告なら)「無」です。
入力が終わったら「次へ」をクリックし、電子署名を行います。
対象の申告にチェックを入れ「署名付与」をクリックします。
署名内容を選択し次に進みます。マイナンバーカードを選択した場合は、パスワードを入力します。
「はい」をクリックします。
「はい」をクリックします。
対象にチェックを入れ「送信」をクリックします。
「はい」をクリックします。
暗証番号を入力します。
「いいえ」をクリックします。
データを削除すると、後から印刷ができなくなります。
以上で申告は完了です。
eLTAXで提出した書類をプリンターまたはPDFで印刷する方法は下記をご参考ください。
法人決算と聞くと身構えてしまっ…
年末調整の大詰めとなる「給与支…