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会議を成功に導くための8個の法則|組織における意思決定の方法

会議はある程度の役割を担っている人たちが集まり、今後の事業の進め方や方向性を決めるものです。

企業にとってはとても重要な業務の一つといえます。

将来のために重要な決断をするだけでなく、複数の人材の時間を拘束することでもあります。

もし会議の効率が悪く質もおざなりであれば、従業員の貴重な時間をドブに捨てているのと同じです。

ここでは、従業員の時間を無駄にしたり、間違った決定をなくすための8個の法則についてまとめています。


会議を成功に導くための8個の法則

会議を成功に導くための8個の法則
  1. 決断を下す責任者を一人決める。
  2. 決断を下す権利を持つ人が会議を主導する(開催、議題、まとめ)
  3. 決断を下す以外の会議であっても、責任者を一人決める。
  4. 責任者が必要に応じて会議を廃止する。
  5. 参加者は8人以下が基本(少なければ少ないほどいい)。
  6. 会議に出ることがその人の評価ではない。
  7. 時間管理を徹底する。(開始、振り返り、終了)
  8. 参加するなら、真面目に参加する。


決断を下す責任者を一人決める

会議には必ず責任者を一人設定する必要があります。

なぜなら、議論には絶対的に正しい正解はなく、全員が完全な合意に至ることはありえないからです。組織の調和を優先しようとすると、会議が永遠に終わらないか、妥協策で終わってしまうことになります

会議の目的は最高の解決策を見つけ出すことです。このため、最終的に判断を下す責任者が必要となります。


決断を下す権利を持つ人が会議を主導する

責任者を決める理由は適切に会議を設定するためでもあります。

会議の設定を「とりあえず会議設定して」と言って下の人に任せれば、任された人は参加者のスケジュールを調整しながら会議を設定します。

しかし、その人は、その会議の目的が何か、緊急度がどのくらい高いかということを理解していません。結果として、他のメンバーは自分たちの既存の仕事を優先し、たいていの場合先延ばしになります。

加えて、なぜその会議に参加しなければいけないのかや、その会議では何を話し合うのかも共有されません。

これでは会議の質は下がり、問題解決の質も下がることが目に見えています。

そうではなく、責任者がその問題の重要性を理解し、誰を参加させるべきかを考え、適切なタイミングで会議を設定します。その際、他の仕事で忙しいメンバーがいたら、自らがその会議の重要性を説かなければいけません

また、遅くとも24時間以内までに、議題を配布します。

会議のまとめも下っ端に任せてはいけません。責任者自身が自らまとめ、決定内容と次の行動を参加者に共有するようにします。

参加して口だけ出して、後は他の人にお任せというスタンスではいけません。

会議の責任者の役割
  • 参加者の選定
  • 適切なタイミングでの会議の設定(必要に応じての説得)
  • 24時間以内に議題を配布
  • 会議の決定内容と次の行動をまとめて配信


決断を下す以外の会議であっても、責任者を一人決める

責任者を決めるのは何か問題を解決する場合など、やるやらないの判断を下すときだけではありません。

情報共有やブレストなどのも同じくその会議を仕切る責任者を決める必要があります。

1人以上の人が集まる全ての会議で、その会議の目的は何か、参加者は適切か、議題は明確か、準備が整っているかを確認する人が必要です。

それができない会議はいかなる場合でも質が低く、思った効果がでなくなります。


責任者が必要に応じて会議を廃止する

大企業やお役所など官僚型の組織でよく見られる光景に、会議をすることが目的になっていることがあります。

「とりあえず定例だから出席しよう」というものです。

目的なく会議に出席するほど無駄なことはありません。それぞれの時間を浪費するだけです。目標のない会議は会社の損失になります。

だからこそ、責任者は次の4つを吟味し、必要に応じて会議を廃止する権利を行使しなければいけません

会議の適切さの判断
  • 目的は明確か。
  • 目的はみんなに伝わっているか。
  • 頻度が高すぎないか。
  • 頻度が低すぎないか。


参加者は8人以下が基本(少なければ少ないほどいい)

会議の目的はコンセンサスをとることです。コンセンサスとは、みんなが一緒に考えや思いを出し合うことです。

誰かが置いてけぼりになったり、ただ聞いているだけの人になってしまっては会議の質が落ちます。もちろん特定の人だけが喋り続けているのでもいけません。

そのためにはどう頑張っても8人が限界です。それ以上多いと、みんなに発言権を割り振ることは不可能です。必ず上の空になる人が出てきます。

それでも会議の情報は共有しておきたいという意図があるかもしれません。その場合は、情報共有のプロセスを見直すべきです。

全ての人が会議に参加し議論する必要はないはずです。ただ、そこに至った理由と最終的な合意結果を伝えれば済む人もいます。

1時間の会議の中の10分あれば十分な人は、その会議に参加させるべきではありません。そういう人たちにはどう伝えるかを工夫しましょう。


会議に出ることがその人の評価ではない

大企業やお役所などの官僚的な会社でありがちな間違いに、会議に出席することが評価につながり、会議に出席しないと評価が落ちるという風潮があります。

ですが、そもそも会議に出席するしないは評価の対象ではありません。

そこでどんな議論をしたかや、組織の中でどんな貢献をしたかが重要です。会議への出席が皆勤賞の人が評価されるべきではありません。

自分がその会議に参加する必要性は低いと感じたら、参加を断る必要があります

もし参加している途中で、この会議は自分にとってそれほど重要ではないし貢献もできないと感じたら即座にその場を退出するべきです。

これは自社内の会議であれば当然ですが、パートナー企業や顧客先で行われる企業であっても同じです。

あなたも他の社員も時間を無駄にするために会社にいるのではありません。


時間管理を徹底する

会議の質を決める重要な要素に「時間管理」があります。

私たち人には、大人になっても子供の頃から変わらない習性があります。その一つに「小学校の校庭で遊ぶ子供たちはチャイムが鳴らなければ、いつまでも遊び続ける」というものがあります。

会議もこれと同じです。終了の時間を決めなければ、人はいつまでも議論し続けてしまうのです。

他にも「定期的にトイレに行く必要がある」「集中力はずっとは持続しない」「食事をとらなければいけない」という習性があります

会議を効率よく行い最高の質にするためには、開始、終了とあわせて、休憩や昼食の時間を組み込む必要があります

海外の人と一緒にする場合は、相手の時差を考える必要があります。テレビ会議の向こう側にいる人にも家族と過ごす時間が必要です。

会議に参加している人を思いやることは当然のマナーです。このマナーをしっかり守れるかが、敬意を持たれる存在になるか、嫌われるかを分けます


参加するなら、真面目に参加する

会議の参加者の中には、会議の内容よりも自分の仕事に集中する人たちがいます。自分のパソコンやスマホとにらめっこしている人たちです。

参加している人の誰かが他のことに集中している状態で、質の高い議論や結果が生まれることはありません。

会議に参加するなら、真面目に参加するが鉄則です。

そういうと「会議が多すぎで、自分の仕事が終わらない」と文句を言う人がでますが、そういう人は、自分が参加を要請された会議の中で、どれが重要なのかの優先順位を決める必要があります。

そして、自分が議論に参加しなくても、結果とそこに至った理由をきけば行動に移すには十分と判断できる場合は、参加を断る必要があります

会議の責任者も他のメンバーの時間をむやみやたらに奪わないように、本当に必要なメンバーだけを参加者としてピックアップしなければいけません。


これら8つの内容がきっちりと守られるだけでも、会議の質は劇的に改善します。更に、みんなに時間が生まれます

会議は無駄に時間を奪われる余計なものだという認識や、会議は休憩時間、会議は集中して他のことができる時間と考えている社員がいる場合は、会議を見直す必要がある証拠です。


参考

この記事の内容はGoogleの経営陣 エリック・シュミット、ジョナサン・ローゼンバーグ、アラン・イーグル、ラリー・ペイジの共著「How Google Works ―私たちの働き方とマネジメント」の内容の一部抜粋と要約です。

一国家と同等な資金を持ち、世界中で知らない人はいないほどのGoogleという大成功企業の中で、

  • どのような制度が用いられ、どのような人たちが働いているのか
  • 人のやる気を引き出し、周りが見たら無理だと投げ出したくなるような事業をどのように達成に導いてきたのか
  • 優秀な人材を獲得するための方法
  • 採用時にやってはいけないこと

などなど、これからの時代に欠かすことのできない内容がギッシリ詰まった一冊です。堅苦しくなくユーモアがあり読みやすい文体ですので、ぜひ一読されることをお勧めします。



yuta