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【会社ファーストの意思決定】個人ではなく会社のためを優先して決断を下す|マネージャーの存在意義

組織にとって最も重要でタフな仕事は「何をするか」「何をしないべきか」の決断を下すことです。

決断方法やそのプロセス自体が間違っていると、組織は内部分裂や売上減少、衰退へと向かっていきます。

もちろん全ての決断が成功するわけではありません。どんな選択もメリットとデメリットを含んでおり、どんなにいいと思えた決断が失敗に至ることもあります。

重要なのは絶対に成功する案を選ぶことではなく、適切なプロセスで意思決定を行うことです。

ここでは、適切なプロセスで意思決定を行う方法についてまとめています。


最適な意思決定に必要な要素

意思決定を下す会議で特に重要なことがあります。それは次の2つです。

最適な意思決定に必要な要素
  1. 会社ファースト
  2. 決断を下す(先延ばししない)


会社ファースト

最も重要なことは決断が「会社ファースト」であることです。その意思決定が個人や特定のグループに有利になるような決断ではなく、会社を第一に考えた決断であるかどうかです。

会議の中で最適解を見つけるためには、全員が持っている意見や不満をぶつけあう必要があります。それは白熱する行為で、納得できない人も出てくるかもしれません。

ですが、その意見が自分ファーストではなく会社ファーストであるなら、最終的にはみんなが納得できる最適化にたどり着くことができます。

誰もが「これは会社のための意思決定で、これをやることが会社のためになる」と思えたら、最終的に自分の意見とは違っていても、チームとしてその役割を全うしようとします。

「会社のために」という意思決定をしたのにもかかわらず、それに不満を持ち自分は参加しないという人は、会社のために働く気がない人です。

組織に属する限り、どんなに不満があっても一度決まった決断に対しては全力で取り組まなければいけません


決断を下す(先延ばししない)

最適な意思決定を下す上で重要な2つ目の要素は「決断を下す(先延ばししない)」ことです。

企業にとってもっとも損失が大きく、内部でエネルギーが対立して前に進んでいかないのは、個々人や部署どうしで意見が対立して、何をするかが決まらないときです。

この世のあらゆるものが不確実であるように、どんな決断にも必ずメリットとデメリットがあり、どんな決断にも上手くいく保障はありません。

つまり、決めてやってみる以外にそれが合っているかどうかを確かめる方法はありません

だからこそ、会社にとって最適だと思える案に決めきることが最重要です。

決定を下さないことは、誤った決定を下すことよりも性質が悪いということを理解しておく必要があります。

Appleのスティーブ・ジョブズやGoogleやTwitterの経営幹部のコーチングを務めたビル・キャンベルは次のように語っています。

間違ってもいいから、とにかく行動をおこせ。

point

この世に完璧な回答など存在しない。決めて、それを全力でやる以外に前に進む方法はない。


答えを知っている上司は最後に発言する

上司は部下を成長させるために存在しています。部下の成功と幸せを願い、成長を支援し、意見にしっかりと耳を傾けてサポートし、信頼して仕事を任せることが仕事です。

それは、部下の能力やモチベーションを向上させることであり、自分ファーストではなく会社ファーストの行動です。

会社ファーストを行動で示す一つの方法に、答えを知っている上司は一番最後に発言するというものがあります。

部下たちが自分たちで結論を導けることを信じ、自分はあえて黙っておくということです。これで、部下たちは最適解を出したり意思決定する方法を実体験として学びとることができます。

point

上司の仕事は部下が自分たちで最適解にたどり着くようにサポートすること。


最後はマネージャーが意志決定する

議論が割れてしまったとき、その議論を無駄に長引かせないために、最後はマネージャーが自ら議論に決着をつける必要があります。

マネージャーが最後に言うのは次の一言で十分です。

この方針で行くぞ。下らん議論はおしまいだ。以上。

当然ですが、この決定は会社ファーストである必要があります。


会議におけるマネージャーの役割とは?

部下が自分たちで最適解にたどり着くようにサポートし、最終的に意思決定を下すマネージャーの仕事は次の3つです。

会議におけるマネージャーの役割
  1. メンバー全員の意見を吸い上げる。
  2. すべての意見を検討し会社ファーストの最適解を見つけ出す議論を促す。
  3. 必要な場合は、自らが議論に決着をつけて、決定を下す。

会議におけるマネージャーの役割は、円卓の騎士のようなものです。

中世の王国には、王様がいて、その下に騎士たちがいました。議論を行い何をするかを決めるのは騎士たちです。

そして議論が割れたときには円卓の後ろにいる王様が最終的な決定を下します。

マネージャーは同じ空間にはいるものの、部下たちと同じ議論の場に参加する存在ではなく、決断が適切に行われるように監視し、最終決定を下す存在であるべきです。



参考

この記事の内容はGoogleのCEOと会長を務めたエリック・シュミットやプロダクト責任者を務めたジョナサン・ローゼンバーグらが書いた「1兆ドルコーチ シリコンバレーのレジェンド ビル・キャンベルの成功の教え」の内容の一部要約と自分なりの解釈を加えたものです。

ビル・キャンベルはAppleのスティーブ・ジョブズやGoogleやTwitterの経営幹部のコーチングを務め、世の中に偉大なリーダーを何人も送り出してきた人物です。

ビル・キャンベルが貫いてきた生き方やそこにまつわるストーリーには、最高のチームを作るためにリーダーやコーチが知っておくべき考え方や行動が宝の山のように詰まっています。

その考え方はビジネスやチームを成功に導くだけでなく、人として幸せに生きるためのより本質的な知恵でもあります。

この記事に興味を持たれた方は、本書を実際に手に取ってみることをお勧めします。あなたの人生をより幸せにし、成功へと導いてくれることは間違いありません。



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