会議を始めるときにいきなり当日の議題から始める人たちは少なくありません。ですが、一部の企業では会議を雑談から始めることが増えています。
大事な会議を雑談から始めるなんて「時間のムダ」だと考える人は少なくありませんが、会議を雑談から始めることは、普通に会議を行う以上に大きなメリットをもたらします。
ここでは、会議を雑談から始める目的やメリットについてまとめています。
会議の中で、雑談を一切行わず、議題だけを話し合う場合、そこには次のような共通認識ができているのと同じです。
つまり、仕事をするために付き合っているだけで、他のことは関係ない取るに足らないことという関係です。
仕事以外の話を持ち出そうものなら「余計な話はしないでください」「時間のムダ」といった言葉が飛んできます。
一見効率がいいように見えますが、社員同士の関係性は薄く、助け合いなどにつながりにくい傾向があります。会議自体もギスギスしたものです。
職場の居心地や雰囲気は決していいとはいえないため、離職する人も多く、長期的に見ると大きなマイナスになります。
会議を雑談から始めることは、決して時間を潰そう、業務を遅らせようといったネガティブな思考からではありません。
目的は次の2つです。
同じ空間にいる人たちや、今喋っている人がそもそもどんな人なのか、その人の話に耳を傾けて受け入れる姿勢こそが「ミーティング前の雑談」です。
また誰もが、自分の意見や趣味嗜好を話してもいいのだという共通認識を作ることで、会議にも積極的な参加を促すことができます。
雑談なので「~を話すべき」という決まりはありません。その人が直近で感じたことや印象に残ったこと、特に仕事以外のことを話します。
例えば、出張に行ってきたのであれば、出張先で感じたこと。他には週末にやったこと、それで何を感じたかなどです。
趣味の話、家族の話、子供の話など様々です。
目的は「仕事以外のその人そのものを知る」といことです。
Yahooの元CEOマリッサ・メイヤーが行っていた方法に、週次のミーティングで参加メンバー1人1人がメンバーの中の誰か一人に先週あった出来事について感謝します。
ルールは次のようなものです。
これをやることで、ミーティングを開始する前に、それぞれ一人一人が誰かから感謝されたことになります。
人に感謝し、人に感謝するという体験をした後は、会議に対しそれぞれの参加度が上がります。
より学術的な側面でいうと、Googleの人事研究の結果、楽しい職場環境とパフォーマンスは相関性が高いという報告がされています。
つまり、パフォーマンスを上げるためには、楽しい職場を作ることが重要ということです。
では、どのように楽しい職場を作ればいいか?という問いを比較的簡単に満足させるのが、家族や楽しいことについて話し共有することです。
これは生活や仕事の中のどこに取り入れてもいいのですが、会議の雑談の前に差し込むと、職場環境の改善にもつながり、メンバーの会議への参加度が上がり建設的な進め方をしやすくなります。
とはいえ雑談をするのはあくまでミーティングの最初だけです。
ミーティング自体は次の3つのみに専念し、余計な話は全て削るべきです。
この3つに集中せず脱線がする場合は、都度軌道修正が必要です。
それはシンプルに「その話は何の意味があるんだ?」「今起こていることと、やるべきことだけを話してくれ」と言うので十分です。
この記事の内容はGoogleのCEOと会長を務めたエリック・シュミットやプロダクト責任者を務めたジョナサン・ローゼンバーグらが書いた「1兆ドルコーチ シリコンバレーのレジェンド ビル・キャンベルの成功の教え」の内容の一部要約と自分なりの解釈を加えたものです。
ビル・キャンベルはAppleのスティーブ・ジョブズやGoogleやTwitterの経営幹部のコーチングを務め、世の中に偉大なリーダーを何人も送り出してきた人物です。
ビル・キャンベルが貫いてきた生き方やそこにまつわるストーリーには、最高のチームを作るためにリーダーやコーチが知っておくべき考え方や行動が宝の山のように詰まっています。
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