気になっている人に振り向いてもらったり、営業先のお客さんに気に入られるなど人は好かれたいと思っています。
ですが「私は見た目がよくないし」「喋るの上手じゃないし」といって人と話すことに苦手意識を覚えている人は少なくありません。
そういった人に朗報ですが「見た目」や「喋り上手」以外に人に好きになってもらう方法があります。
ここでは人が好感を抱く3つの要因と、契約にこぎつける最高の営業方法について解説しています。
人は次の3つの条件のそれぞれで好感を抱くことがわかっています。
人が誰かに好感を抱く1つ目の条件は「見た目がいい」ことです。
人に好かれるために何が必要か?と聞くと多くの人あげる条件です。このため「私、見た目よくないし」「ファッションセンスないし」という言葉を頻繁に耳にします。
見た目とはスタイルや顔立ちだけでなく、清潔感や身だしなみなども入ります。
人が誰かに好感を抱く2つ目の条件は「共通点が多い」ことです。
「出身地が同じ」「趣味が同じ」「大学が同じ」「部活が同じ」「好きなアーティストが同じ」など、自分と共通点が多いほど人は相手のことを好きになります。
山が好きな人は山が好きな人と一緒になり、海が好きな人は海が好きな人と一緒になります。
組み合わせが違うとどちらか一方は山に行きたいのに、もう一人は海に行きたいというすれ違いが発生し、不快な気持ちへと変わっていきます。
どんなに見た目がタイプでも全く違う趣味、価値観であれば一緒にいて苦痛なだけです。共通点の多さは見た目よりも持続力が高く強力です。
人が誰かに好感を抱く3つ目の条件は「相手が自分に好意を抱いている」ことです。これはかなり強力です。
全然意識してなかった人がいたとして、その人に「好きです」と言われた途端に急に意識し始めてしまうのが人の性質です。
見た目や共通点に限らず、いろいろと良くしてくれる人のことを人は好きになります。
CMは人に好かれる3つの要件「見た目がいい」「共通点が多い」「相手が自分に好意を抱いている」 に基いています。
CMに出てくる人は基本的に見た目がいいです。カワイイ女優やキレイな女優、爽やかなイケメンやカッコいい俳優が商品をお勧めしてきます。
その人と保険や車などの商品は一切関係ないにも関わらず、見た目がいい人が推しているという理由だけで、その商品にも好感を抱きます。
CMの内容はあなたと共通点の多いものになっています。「痩せたい」「キレイになりたい」「カッコ良くなりたい」や「日常生活の不満」「こんなのがあったら便利」という内容が強調されます。
見た目のいい女優や俳優ではなく、より身近で親近感が湧くような人が採用されます。
「私もあなたと同じ悩みを持っている」「でも、そんな私でもできる」というアピールが行われます。
CMでは「あなたに好意を抱いている」という言葉が頻繁に使われます。
「あなたにピッタリの」「ステキなあなたに」「あなたならできる」といったあなたを肯定する言葉が語られます。
こうして人は、商品自体ではなく「人」や「言葉」に好感を覚え、その結果、商品もいいと思い込み購入へと至ります。
モノやサービスを売りたいと思っている人がやりがちな勘違いは、モノやサービスの良さを徹底的に伝えようとすることです。
「こことここがいいです」「ここが画期的で」「あれもできます。これもできます」と必死に伝えようとしますが、成約率はあまり高くありません。
それを遥かにしのぐ最強の営業方法は「あなたに好感を持っています」をあの手この手で伝えることです。
世界で最も自動車を売りギネスブックにも乗ったセールスマン ジョー・ジラードは営業の秘訣を次のように語っています。
自分がそのお客さんのことを大好きだと、お客さんに信じ込ませることだ。
ジラードは自分がお客さんのことを大好きだと信じてもらうためにとてもシンプルな手をつかっています。
それは、毎月手紙を送ることです。そこには「あなたが好きです」とだけ書かれています。
人がモノを買うのは必要なときに限りません。全く必要がなくても購入に至ることもあります。
あるワインを飲まない人が、ワインを2本買いました。その理由を尋ねてみると、「店員さんがとても感じがよかった」というものでした。
その女性が魅力的だったわけではありません。ただとても感じがよくて好感が持てたという理由です。
この店員さんは、お客さんに対して好感を持っていると上手に信じ込ませたわけです。
マルチ商法はスーパーなどに行けば安く買える台所用品などを、その何倍もの値段で売る商売です。
なぜその商売が成り立つかというと、商品を気に入ってもらうのではなく、「あなたが好き」というメッセージを伝えて、好感をもってもらうことで成り立っています。
マルチで儲けている人はたくさんの人に好かれている人です。漏れなく人に好かれるための3つの要素「見た目がいい」「共通点が多い」「相手が自分に好意を抱いている」を徹底しています。
清潔感があるいいで立ちで、共通点探しなど話が上手く、そして「あなたならできる」「あなたといると幸せ」というメッセージを上手に発信してきます。
その結果、その人に好感を感じて、その人が売っている商品までいいものと思い込み購入に至ります。
好感を持ってもらう方法でよくある勘違いが「相手に好きになってもらう」です。
「相手に好きになってもらう」というのは、相手を変えようとする行為です。人を変えることはできないので、この考え方をしているとどんどんと苦しくなってしまいます。
人に好かれる方法はもっと簡単です。「相手に好感を抱いていることを」伝え続けるだけです。相手を変えようとする必要はありません。
「今日も素敵ですね」「また会えて嬉しいです」「話すと元気を貰えます」というあなたと会えて嬉しいという自分の好感をひたすら相手に伝え続けていれば、相手も自然とあなたに好感を抱きます。
人とはそういう生き物です。
オイルの巨大設備の営業をしている人が、ロシアで数十億円の契約にこぎつけました。
その人は契約に至った理由を次のようにはなしています。
雑談していたら、急にヨットの話になった。相手も自分も470級の小型ヨットの大ファンだとわかった。
そこから私たちは友人になり、それで取引が決まった。賄賂を渡すよりも共感し合う方が上手くいくよ。
この言葉は営業の本質を表しています。
モノを売りたければ、モノの説明を一生懸命するよりも、仲のいい友人になる方が圧倒的に契約率が上がります。
そのきっかけを与えてくれるのが「雑談」です。一流の営業マンは「相手と仲良くなるのがモノを売る一番の近道」と知っているので「雑談」を大切にします。
モノを買ってもらいお金を貰ったり、寄付してもらうときに「好感」は超重要です。
自然保護団体のポスターも「好感」を重要視しています。
世界に絶滅危惧種は約14万種いるといわれています。にも関わらず自然保護団体が使うポスターにはパンダや像といった広く知られた愛らしい動物が使われることがほとんどです。
見た目が私たちに似ていてるという「共通点」があり、好感を抱きやすいためです。
実際、絶滅危惧種にはトカゲやクモなど見た目がグロテスクな生き物もたくさんいます。ですがそういった生き物が表紙に使われることはありません。
売り込む側にとって「見た目」「共感」「好意を伝える」ことはとても重要です。
一流の営業マンであればあるほど、モノの説明よりも、友人になることや、あなたのことが大好きだと伝えることに全力を尽くしてきます。
そして、モノに価値を感じたわけではなく、その人に価値を感じて購入します。
これは「その人の価値」=「モノの価値」と勘違いしている状態です。
だからこそ、モノを買う時は「売り込んでいる人」で価値を判断しないように注意しなければいけません。
「営業マンがこの人じゃなくても、この商品は買う必要があるか?」と自問することが重要です。
この記事の内容はスイスの有名起業家 ロルフ・ドベリが記した「Think right ~誤った先入観を捨て、よりよい選択をするための思考法~」の一部抜粋と要約です。
人が陥りがちな思考の罠がとてもわかりやすくまとまっています。この記事の内容以外にも全部で52個の人の性質がわかりやすい具体例で解説されています。
この記事の内容でハッとした部分が一つでもあった方は是非手に取ってご覧になられることをお勧めします。
あなたの人生をより賢く豊かにしてくれることは間違いありません。