営業は何かを売る仕事です。「売りたい!」と思う気持ちは当然誰しもが持っています。
ですが「売りたい!」というこちら側の欲求だけでは、お客様は買ってはくれません。
当然ですが、「人は買う理由がなければ買わない」のです。そこで無理やり売ろうとすれば「押し付け」と思われてしまいます。
世の中には「営業をやりたくない」「営業が嫌い」と思っている人はたくさんいます。
ですが、営業とは実は「言葉のプロ」「コミュニケーションの技術者」、「商品を使って、お客様の問題解決を行うコンサルタント」というとても魅力ある仕事です。
ここでは営業の仕事や役割、魅力とは何か?や営業が押し売りと認識され嫌われてしまう理由についてまとめています。
みなさんは「営業」という言葉を聞いたときにどういった仕事内容を思い浮かべるでしょうか?
多くの人が「物売り」「押し売り」といった言葉を思い浮かべます。
ですが、本質はそうではありません。買って便利になるのはお客さんです。
主役はあくまでお客様で、より良い買い物をしてもらうために営業がいます。
つまり、営業の仕事とは、お客様により良い情報を提供すること、すなわち、情報加工業です。
提案するときに、とても重要になってくるのは「事前準備」です。
提案する際、多くの場合時間が限られています。限られた時間の中で最大の成果を出すためには、あらかじめ相手や会社のことを調べておく必要があります。
調べたうえで仮説やテーマを立てて、それをこの商品で解決できますよという提案をすることで、お客様の中に「買う理由」が生まれます。
営業という言葉を聞いたときに「物売り」「押し売り」といった言葉を思い浮かべてしまうのは、お客様にとって価値がないと思われる商品を売っていると感じるからです。
そうではなく、これでお客様が便利になる。お客様の人生がより快適なものになる。という確信があれば、「お金を払うだけの価値がある」と思えます。
例えば、1本100円のペットボトルの水を1万円で売るというのも無茶があります。なぜなら本来その価値がないものを無理矢理売りつけようとする行為だからです。
こういったときに営業がするべきことは、その水に1万円の価値がつくように、機能や仕様、内容を変えてもらうという企業内努力を呼びかけることです。
営業の役割は「売る」だけではありません。
営業は商品を売る事だけを求められているわけではありません。良い商品とは、お客様が買って便利になる商品です。
営業をしたときにお客様に「〇〇なので買いません」と言われたら、そういった言葉を集めて、商品の開発チームやマーケティングチームにフィードバックすることができたら、お客様に良い商品を提供できるきっかけを作り出すことができます。
「自分を通して、いい商品がもっともっと作れる」それが営業のもう一つの役割でもあります。
営業は「お客様により良い情報を提供すること」「お客様に良い商品を提供できるきっかけを作り出す」仕事です。
これだけ聞くと、とても素晴らしい仕事だと感じるのではないでしょうか?
ですが、世の中には「押し売り」と呼ばれ嫌われる類の営業が溢れかえっています。そこには理由があります。
それは、「新人はとりあえず営業」という昭和時代から続く風習が大きな原因の一つになっています。
この、悪いサイクルが営業のイメージを「押し売り」にしています。
日本では「営業」=「押し売り」というイメージが未だに強いですが、海外では違ったイメージになっています。
海外では「営業」=「言葉のプロ」「コミュニケーションの技術者」です。
「その困りごとがあったら、うちの商品を使うと解決できますよ」というように、商品を使って、お客様の問題解決を行うコンサルタントが営業です。
そのためには、お客様から聞き出すテクニックが必要なので、コミュニケーションのプロじゃないと営業はできません。
このため営業は、本当に人とのコミュニケーションのプロになりたいと思っている人じゃないと難しいです。
営業という仕事は、「お客様を便利にする」「お客様の生活を豊かにする」ことです。これだけでも魅力がありますが、営業の仕事の魅力はこれだけではありません。
営業が向き合うのは毎回違う人です。このため同じモノを売るにしても、買う理由が人によって違います。
なぜなら、買う人の抱えている問題や悩みが違うからです。なので、台本がお客様の数だけ存在します。つまり、「商談の数だけドラマがある」ということです。
営業は、お客様の人生に関わり、人生を変えるお手伝いができる仕事です。そして、お客様それぞれに合わせた提案ができます。
逆いうと、自分が営業をしなかったら、お客様は人生の中でその商品に出会わなかったり、買ってみること、使ってみることがありません。
ここに、営業として自身の存在意義を感じることができます。
なにより、お客様から「〇〇さんだから買いました」「これから一緒に頑張っていきましょう」「よろしくお願いします!」と言われたときの共鳴した熱い状態は感動できる素晴らしいものです。
人は誰かに縛られたり、命令されたりするのが嫌いな生き物です。
自分の意志で行動し、自分の意志で発言して成果をあげたいものです。
同じモノを売るにしても、お客様によって抱えている問題も買う理由もそれぞれです。だからといって、営業は好き勝手、自分なりに自由にやればいいというものではありません。
お客様が喜び、幸せや感動を感じてくれる営業にはある程度の型があります。その型を使えば、再現性があります。
営業は料理のようなものです。
料理には基本となるレシピがあります。どう作ると美味しいか、どう作ると不味くなるかがある程度決まっています。
営業も、どすると売れるか、どうすると売れないかという基本の部分があります。その型を守りつつ、お客様に合わせてアレンジを加えることが売れる営業です。
どんなに凄い営業でも、お客様のことを全て知っているわけではありません。スマホの機種は何を使っているか?よく使うアプリは何か?週末は何をしてるか?など、お客様の興味関心や現在抱えている悩みをヒアリングしながら、その悩みを解決するための提案をしていくことが営業の仕事です。
営業とは、相手の悩みを聞き出し、相手に沿ってその悩みを解決するための提案ができるコミュニケーションのプロです。
コミュニケーションのプロになろうと思ったら、営業の仕事に就いて、営業力のある人に学ばなければいけないと考えている人もいるかもしれませんが、営業力を鍛える方法はそれだけではありません。
営業とは「相手の気持ちや行動を動かすこと」です。
このため、営業という行為は仕事の中にだけ存在するものではありません。日常の中のどこにでも転がっています。
お客様でなくても身近な人で練習できます。売るものがなくても問題ありません。色々な提案や交渉を切り出してみて、相手の気持ちや行動を前向きに動かす練習をしてみることです。
そのときに意識することは、自分が「どう伝えるか」よりも、相手に「どう伝わったか」を意識することです。
どう伝わったかを意識するポイントは次になります。
営業とは「相手の気持ちや行動を動かすこと」です。
面接も営業の一つです。相手の気持ちを動かして、採用という行動をもらうための営業活動です。
面接が下手な人は、自分という商品を相手に売り込むことばかり考えています。それでは相手はその商品を買ってくれません。
そうではなく、あなたという商品を買って幸せになるのは会社です。
会社の困りごとや悩みをしっかりと調査・ヒアリングして、あなたという商品を使ってその問題を解決することができることを提案するのが良い面接、良い営業です。
特に面接の場合、時間がかなり限られているので、その場で色々と聞き出すよりも事前のリサーチが圧倒的に重要になります。
リサーチ結果を踏まえて、更に深堀をして「そこで苦労なさっているんですね。だったらぜひ私を使ってください。私の〇〇の経験や実績が必ず御社の役に立ちます!」と言い切ることです。