「Gitの勉強を始めたいけど、どこから手をつけていいか分からない…」という方は多いでしょう。
GitはGitHub連携だけでなく、個人開発やローカル環境でのバージョン管理だけでも大きなメリットがあります。
この記事は、「実際にGitってどう使うの？」というその方法を、手を動かしながら学べる実例で解説しています。
git initからコミット、ブランチ作成、マージ（統合）まで、必須コマンドを実際に体験することで、知識ではなくスキルとしてGitを習得できます。
Gitとは何か？
Gitは、プログラムのコードやファイルなどのすべての変更履歴を自動で、完璧に記録・管理できるバージョン管理ソフトです。
GitHubとは別物です！
一人の開発者として、コードを安全に管理し、変更を追跡したいだけであれば、ローカルGitだけで十分にその目的を果たせます。
GitHubを使うメリットは、共同作業やサイトバックアップをしたい場合です。
Gitとは何か？やGitHubとの違いについては下記をご参考ください。
Gitを使った開発の主な流れ
ユーザー名とメールアドレスの登録
Gitを始めて使う場合は、ユーザー名とメールアドレスを登録する必要があります。
git config --global user.email "your_email@example.com"
git config --global user.name "Your Name"Gitではユーザー名とメールアドレスの登録が必須となっています。なぜ必須となっているかや、登録方法の詳細については下記をご参考ください。
＞ Gitのユーザーとメールアドレスの登録方法｜複数登録や切り替え方法｜nameとemailアドレスは何に使うか？(git config –global, includeIf, –list)
Git管理の開始｜git initによるリポジトリの初期化
ここでは、Gitを実際に使ってプロジェクトのコード管理をする方法をご紹介します。
まずはGitで管理するためのプロジェクトディレクトリを作成します。
プロジェクトを作成したいディレクトリに移動し以下を実行します。
mkdir test-website-project
cd test-website-project
次に、git initで対象のディレクトリをGitで管理できるようにします。
git initこれを実行すると、「.git」という隠しフォルダが生成されます。
このフォルダの中に、プロジェクトのすべてのバージョン履歴、ブランチの情報、コミットデータ、設定ファイルなど、Gitがバージョン管理を行うために必要なすべてのメタデータが保存されています。
git initを行ったディレクトリや.gitディレクトリを含めて「リポジトリ」と呼びます。
git addとgit commit
プロジェクト用のファイルを作成する。ここでは例として、HTMLファイルを作成します。
echo '<!DOCTYPE html><html><head><title>My Website</title></head><body><h1>Hello World</h1></body></html>' > index.html作成したファイルをステージングに移します。
git add index.htmlこの変更内容をコミットします。
git commit -m "Initial commit: first HTML file"これで変更内容が記録されました。
ブランチの作成と切り替え
ここで、既存の安定したコードに影響を与えないよう、新しい機能開発のために新しくブランチを作成し、移動します。
git checkout -b feature/add-footerこれで、「feature/add-footer」という新たなブランチを作成して移動することができます。
各コード配下を意味しています。
| コマンド部分 | 意味 |
git checkout | 既存のブランチやコミットに切り替える基本的なコマンド。 |
-b | ブランチを新しく作成するためのオプション。 （ git branch <ブランチ名> の機能に相当します） |
feature/add-footer | 新しく作成するブランチの名前。 |
自分が現在どのブランチにいるかを確認するには、git branchを使います。
$ git branch
* feature/add-footer
mainなお、git checkout -bは2つのGitコマンドの機能を組み合わせたショートカットで、以下の処理と同じです。
git branch feature/add-footer
git checkout feature/add-footerGitのブランチ名を付ける際は、ブランチの役割を示すカテゴリ名（プレフィックス）を先頭につけるのが最も一般的なパターンです。
例えば、新規機能開発であれば「feature/」とします。そしてその後ろに機能名をつけて「feature/add-footer」のようにします。
カテゴリ名は以下のを用いるのが一般的です。
| プレフィックス | 役割 | 派生元（例） | マージ先（例） | 命名例 |
| feature/ | 新機能の追加・開発 | develop | develop | feature/add-login-function |
| bugfix/ | 開発中またはリリース前のバグ修正 | develop | develop | bugfix/fix-validation-error |
| hotfix/ | 本番環境で発生した緊急バグ修正 | main / master | main / develop | hotfix/critical-security-patch |
| release/ | リリース準備、最終調整用 | develop | main / develop | release/v1.2.0 |
| refactor/ | コードのリファクタリング（機能変更なし） | develop | develop | refactor/optimize-api-call |
| docs/ | ドキュメントの更新・修正 | develop | develop | docs/update-readme |
ブランチでの作業をコミット
新しいブランチに移動したら、そこで開発作業を行いコミットをします。
# 1. index.htmlを編集（簡単なコマンドでフッターを追記）
echo '<footer><p>© 2025 My Website</p></footer>' >> index.html
# 2. 変更内容を確認
git status
# 3. 変更をステージング
git add index.html
# 4. 変更をコミット
git commit -m "feat: Add a simple copyright footer"マージ（開発ブランチの統合）
ブランチでの作業が終わったら、その内容をメインのブランチにマージ（統合）します。
まずは、メインのブランチに戻ります。
git checkout mainメインのブランチ名はもともとは「master」が主流でしたが、GitHubがデフォルトで「main」を使うようにしたため、最近では「main」を使うことが一般的です。
mainブランチ上で、先ほど作成したfeature/add-footerのブランチの変更内容をgit mergeで取り込みます。
$ git merge feature/add-footer
Updating f1dc64e..dab1cae
Fast-forward
index.html | 1 +
1 file changed, 1 insertion(+)不要になったブランチを削除する
改修し、本流へのマージが終わり不要になったブランチ（feature/add-footer）を削除します。
git branchで-dオプションを使います。
git branch -d feature/add-footerログの確認
これまでに実行した作業のログをgit logを使って確認します。–onelineと–graphオプションをつけるととても見やすくなります。
git log --oneline --graph
feature/add-footerブランチで修正を行ったコミットも、mergeにより取り込まれていることがわかります。
Gitのエイリアスを使おう
git checkout やgit statusはGitで開発を行う上でとてもよく使うコマンドです。
その割には文字数が多く、毎回打ち込むのは面倒です。そうした場合にGitのエイリアスが超役に立ちます。
エイリアスとは何か？や、使い方は下記をご参考ください。
