子供を褒めるのはいいこと?やりたいことを自分で見つけられる子の育て方

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子供を育てる時に褒めて育てると言われたので、とにかく褒めている。でも、それは本当にいいことなのでしょうか?

もちろん褒めることは大切ですが、その方法を間違ってしまうと、子供が自分のやりたいことを見つけられなくなったり、潰れて社会で生きていくことが難しくなることがあります。

それはなぜなのか?では、いったいどうやって育てたらいいのか?

そんな、ありふれた、けど、とても深刻な問題に答える17個の金言をご紹介します。


自由な遊びの中でこそ、子供は向上心のタネを見つける

色んな習い事があり、専門的な教育を幼児期から受けられるのはよいことなのでしょう。けれど、子供同士の遊びの中で学ぶことが、お金を出して教わることよりも低レベルなのだとは思わないでください。

自由な遊びの中でこそ子供は、「好き」「やってみたい」「うまくやりたい」とう向上心のタネを見つけるのではないかと思います。


子供の中には常に伸びていこうとする気持ちがある

子供の中には常に「伸びていこう」とする気持ちがあります。ただし、いつ芽が出るかはその子次第です。花の芽と同じで、他者にそれを無理やり引っ張り出すことはできないのです。

親というものは、どうしても子供に期待してしまうものです。「勉強ができたらいいな」「一緒に山登りしたいな」くらいは誰でも思うでしょう。

けれど、そうならないこともあります。「そうだったらいいね。でも、そうならなくてもいいね」「どんなふうに成長するんだろうね」そんなふうに考えて欲しいのです。


こんな子になって欲しいと願うのは一方的な過剰期待。過干渉です。

なんとしても〇〇大学に入るような子になってほしいと願っているとすれば、それは親の一方的な過剰期待です。

そのためには〇〇中学に入れなくちゃ、だから早くから塾を探そうと動いてしまうのは過干渉です。

このような親の思いが前面に出てしまうと、子供の自主性や自律性の発達が阻害されてしまいます。


期待は愛情ではなく、ありのままの自分の拒絶

期待は一見すると、愛情のような形をしています。事実、親は子供を愛しているから期待するのです。他人の子供に期待したりはしません。

でも、その期待を子供が受け取った時、子供にとってそれは愛情には感じられないことの方が多いです。ありのままの自分を拒絶されたと感じるのです。

親からの期待は、子供に「いまのままのあなたじゃダメだ」と感じさせてしまいます。


褒めすぎる子は大人の評価を気にする。褒めすぎは控える

子供の中には、割と何でも要領よくできてしまう子がいます。幼い頃から勤勉で、目標に向かって努力することをいとわない子です。こういう子は手がかかりません。褒めるポイントもたくさんあります。

そういう子ほど、褒めすぎることを控えていただきたいと思います。褒められすぎる子は、大人の評価を気にしてしまう傾向があります。

特に、親が喜ぶかどうかが気になってしまうのです。

将来の進路を選ぶ時も、親の希望に叶うかどうかを指針にしてしまい、自分が本当にしたいこと、進みたい道が見えづらくなる傾向があるのです。


褒め言葉が「もっとがんばれ」というプレッシャーになると優秀な子も潰れる

臨床の現場には、親の期待という重圧に潰されてしまった「優秀な子」が多くいます。

高い偏差値の大学に入ったのに、社会の中で生きることができなくなってしまった子も少なくありません。

やればできる子だからこそ、努力を強要せず、努力したことを称賛しすぎず、努力で手に入れた結果も、できるだけ淡々と受け止めてほしいと思います。

もちろん、けなしたり否定したりしろと言っているのではありません。「よかったね」「頑張ったかいがあったね」と言っていいのです。

ただ、褒め言葉が「もっとがんばれ」というプレッシャーにならないように願っているのです。

褒めすぎず、称賛しすぎず、のびやかに育てましょう。


幼い頃の神童もいずれちょっと器用な普通の人になる

幼い頃に神童であっても、多くの人は年齢が上がるとともに、ちょっと不器用な普通の人に落ち着くものです。

そうなっても、自分を否定せず「自分は自分。いいところがいっぱいあって好きだな」と思えるように、のびやかに育てて欲しいと思います。


「普通の子であって欲しい」も過剰期待

過剰期待は「人より優れた子に」という期待だけをいうのではありません。「普通の子であってほしい」という願いもまた、過剰期待なのだということを知っておいてください。

人一倍落ち着きがないとか、感情のコントロールが苦手だとか、忘れ物が日常茶飯事とか、感じが覚えられないとか、発達の凹凸がきになるような子は特にそうです。

「特別に優秀でなくていいので、普通の普通にできて欲しい」と親が思ってしまいがちです。そうすると、できない部分にばかり目が行ってしまい、そこをなんとか矯正したいと思うのです。

どんな子でも必ず長所と短所があるのですが、こういう子は欠点ばかりが先に目立ってしまうので、長所を伸ばす時期が来る前に自信を失ってしまうことがとても多いのです。


長所を見つけてあげられるのは親だけ

長所を見つけてあげられるのは親だけです。

例えば、ブロックを組み立てるのが早いとか、パズルをさせると誰よりも集中するとか、ゲームがうまくなるスピードが誰よりも早いとか、一般的な評価にはつながらないものが多いかもしれませんが、一般的な評価にはつながらないものが多いかもしれません。

でも、その部分を大事にして育てていって欲しいと思います。そこを足がかりに、何かの専門家になったり、一芸に秀でていったりするものです。


弱点なんて気にならないくらい、得意なことを伸ばしていこうね

弱点がどんなに気になったとしても、「あなたにはこんなにいいところがあるんだよ。だから、弱点なんて気にならないくらい、得意なことを伸ばしていこうね」と言ってあげるといいと思います。

発達の不均衡さは、年齢が上がるにつれて少しづつ目立たなくなっていくことが多いのですが、そうなる前に子供が自信を失わないように、ていねいに育てる必要があるのです。

「この子を守るのは私だ」と静かな誇りを持ち、できないことは手伝い、いっしょにやってあげて、失敗はカバーしてあげましょう。


好きなことを思いっきりすれば、進みたい道が見つかる

子供のうちは好きなことを思いっきりするのがいいのです。苦手なことを克服するよりも、得意なことに熱中するほうが楽しいし、成果も出やすいものです。

その過程で、「自分はこういう道に進みたい」という希望のようなものも見えてきます。それは子供に任せておきましょう。


親がちゃんと尻拭いをしてあげる

親の本当の出番は、失敗したときだということも覚えておきたいですね。

もしも、人に謝らくてはいけなことがあったら、親がちゃんと尻拭いをしてあげるから、好きなことを思いっきりやっていいんだよ。

イヤになったらやめていいんだよ。だから安心してチャレンジしなさい。

そう子供に伝え、あとは見守るのが「子供を伸ばす親」なのだと思います。


子供の得意不得意を親が気にするそぶりを見せない

友達に比べて何ができるかできないかは、子ども自身が自然に感じていくものです。どう感じるかも、子供に任せておきましょう。

子供の得意や不得意を親が気にする素振りを見せないことです。褒めすぎもせず。がっかりもせず。

子供の方から「かけっこでビリだった」「友達に下手くそって言われた」などと言ってきたら、「気にしなくていいんだよ」「でも、あなたはこれが得意だよね」となぐさめてあげるといいでしょう。

誰にでも得意なことと不得意なことがあるということは、ぜひ言ってあげてください。


お母さん/お父さんも苦手だったよ

子供の方から「かけっこでビリだった」「友達に下手くそって言われた」などと言ってきたときに、もし自分もそれが苦手だったら「お母さん/お父さんも苦だったよ。私に似たんだね。」「でも、絵を描くのが好きなところもお母さんに似ているね」と言ってあげると、子供は安心します。

苦手な事を克服させようと、親が一生懸命に頑張る必要はありません。


兄弟姉妹がいるときは褒めすぎない、がっかりしないが大切

褒めすぎないこと、がっかりしないことは、兄弟姉妹がいるといっそう大切です。

よくできる子を褒めすぎる、できない子にがっかりする。そうすると、子供の中に質の悪い優越感、質の悪い劣等感を植え付けることになってしまうのです。

運動が得意な子と普通の子、苦手な子がいたら、子供が試合などで活躍してもあまりおおげさには褒めません。逆に、試合で失敗したり、出番がなかったりしたときもがっかりした顔を見せません。

できたことを「よかったね」と褒めるのはいいですが、できない子が卑屈になるようなおおげさな褒め方はしないようにと意識するといいと思います。


大人になれば走るより、自転車に乗るほうが便利。弱点はやり過ごす

人には誰しも、得意なことと不得意なことがあります。長所は長所として発揮しつつ。弱点や苦手があっても、それを持ち合わせたまま、弱点が目立ちやすい時期をやり過ごすのがいいと思います。

大人になれば、走るのが速いかどうかなど、誰にもわかりません。走るより自転車に乗ったほうが、ずっと速くて便利なのですから。


苦手でもその子がやりたい事ならやらせてあげる

テニス部に始めたいと言う運動が苦手だった子がいました。学校のテニス部はインターハイにも出場するような強豪校で、練習も非常に厳しいのです。彼には無理だろうと思いました。

顧問の先生も「彼にうちの部はきつすぎるのでは」と心配していました。しかし、本人は「大好きな友達がテニス部で、彼に誘われたから入部したい。試合に出られなくても、一緒に練習できれば嬉しいんだ」と言いました。

なので「本人がそのように申していますので、おじゃまでなければ置いていただけませんか?」とお願いしました。

すると、顧問の先生は理解のある方で快諾し「みんながグラウンドを3周するところを、彼には1周というように配慮しますね」とおっしゃってくださいました。そのような配慮もあって、高校の3年間テニスを続けることができました。

ある時、家族でテニスをしたことがありました。そうしたら、その子だけ特別に上手でした。運動神経のいい子よりはるかに上手なのです。

こつこつ3年間続けるというのはそういうことなのだと感動しました。

彼は運動が苦手ながら、一生楽しめるスポーツを手に入れたのです。いい学校のいい部活と出会え、本当によかったと感謝しています。


参考

この内容は、川崎医療福祉大学特任教授、横浜市リハビリテーション事業団参与で、自閉症を持つ人々のための支援プログラム、TEACCH(ティーチ)を米国から日本に紹介するなど様々な経歴をもつ精神科医 佐々木正美先生の「この子はこの子のままでいいと思える本」の要約と一部抜粋です。

本書には他にも、気づきを与え、心を軽くしてくれる、子供の育て方に関する金言がたくさん載っています。

興味を持たれた方はぜひ一度手に取って見てはいかがでしょうか?

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