子供の問題行動の原因は愛情不足?叱るは必要ない!家での原因と叱られない子に育てる方法

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子供の自己主張が激しかったり、物を投げたり、家を飛び出したりする。そんな問題行動がひどくて悩んでいるお父さんお母さんも少なくないと思います。

叱っても叱っても子供がいうことを聞いてくれない。それはどうしてなのか?叱らない子に育てるにはどうすればいいのか?

不登校の子供が学校に行きはじめるのはどんなタイミングなのか?子供が本当に自立するとはどういうことなのか?

そんな、ありふれた、けどとても深刻な問題に答える18個の金言をご紹介します。


親が叱れば叱るほど、子供は叱られる子になっていく

叱る必要や心配する必要がない子に育てるためには、子供の情緒が安定することが大切です。親が子供を叱っても子供の情緒が安定することはありません。

むしろ、叱れば叱るほど、子供は叱られる子になっていきます。親が心配すればするほど、心配な行動を続けるのです。

子供の情緒を安定させるためにも、その悪循環を断ち切るらなければなりません。その場合、親と子のどちらが先にがまんするかの答えは明白です。大人が先です。

大人が先に変わるしかないのです。


親が叱りすぎをやめると、子供の情緒が安定する

子供にはその子の発育の状況や特性によって、できることとできないことがあります。できないことをどんなに叱ってもできるようにはなりません。

親が叱りすぎをいったん止めることで子供の情緒が安定し、その子にあった対応を取ることが可能になります。

得意と不得意が大きい子は、その子の得意な部分をちゃんと見極め、そこを 伸ばそうと本人が前向きに捉えられるようになります。そこから好循環が始まるのです。


子供が物を投げつけたときにすることは、叱ることではなく甘えさせること

子供が、優しく言い聞かせてもいうことを聞かない。すぐにダダをこねる。説明しても納得してくれない。ワガママで心配、など親が育てにくいと感じる子には、感情のコントロールが苦手な子が多いものです。

怒りや悲しみ、イライラなどの感情をうまく抑えることができない根底には、欲求不満があることがほとんどです。

たとえば、子供がいきなり親に物を投げつけたとします。「危ないでしょ」「物をなげてはいけません」と言って叱りたくなるのは当然です。「ごめんなさいは?」と謝ることを教えたいと思うでしょう。

それはいいのですが、それでも子供が更に泣きわめくのであれば、一旦立ち止まって考えてほしいのです。この子はわたしに何かして欲しいことがあるのだと。

幼い子どもの望みにさほど種類はありません。妹よりも私の方をかわいがって欲しいとか、疲れたから抱っこして欲しいとか、幼稚園や学校で嫌なことがあったから甘えたいとか、そういうことです。

その希望が叶えられないから、欲求不満を物に置き換えて投げつけているのです。それだけ愛を求めているのです。

この時に親がするべきことは、叱ることでも、なぜいけないかを理詰めで伝えることでもありません。甘えさせることです。

抱っこして「大丈夫だよ」と言ってあげることなのです。


子供が乱暴な態度をとるときほど、優しく接する

育児書を読んで、子供をたたくのはいけないこと。甘えさせることが大切だと分かっているご両親は多くいます。

一方で、「子供の理不尽な要求に無条件で応えていいのか?」「子供とはいえ乱暴な態度を許してはいけないのではないか?」「甘えさせるのはいいけど、甘やかしてはいけないはずだ」とさまざまな知識と常識との矛盾の中で揺れ動いていると感じます。

しかし、その理論は幼い子どもと親との関係ではあまり意味をなしません。

子供はいくら甘やかしてもいいのです。たくさんかわいがってあげていいのです。望みを叶えてあげていいのです。

親が言うことを聞いてあげればあげるほど、言うことを聞く子になります。かわいがればかわいがるほど、かわいい態度をとるものです。

乱暴な態度をとるときほど優しく接するのです。そんなふうにしてくれるのは親しかいと思うから、子供は理不尽な要求をするのです。

言葉にできない思いを抱えて、それを自分ではコントロールできなくて、「なんとかして」と暴れているのです。


子供が思春期でも、青年期でも同じ、何歳でも甘えさせていい

子供が欲求不満を上手く言葉にできず暴れることは何歳であっても起こりうることです。

幼児期や小学校低学年で暴れたのであれば、「ああ、よかった。親孝行な子だ」と思ってください。子供はまだ幼くて、暴れてもたかが知れています。体も小さいので、すっぽり包み込んで抱きしめることもできます。

優しく包み込んで「大好きだよ」と言ってあげてください。

もちろん、それは思春期でも青年期でも同じです。不足している「甘えたい」という思いが満たされなければ、欲求不満は高まる一方です。

すっぽりと包み込むことが難しい年齢であれば、言葉で包んであげるのがいいと思います。

子供の話を否定せずにちゃんと聞いてあげて「がんばってるね」「あなたはいい子」だよ。とやさしい言葉をかけてあげてください。

「あなたの好きな唐揚げをいっぱい作ったよ」「ケーキ買ってきたから、いっしょに食べようね」と、子供の好物を用意してあげるのもとてもいいと思います。


変わるのは親のほう。叱らないと心に決める

親が子供を叱っている間は、叱らなくていい子にはなりません。叱れば叱るほど、もっともっと叱られる子になります。

叱りたくて叱っている親はいないでしょう。でも、多くの親は「叱らずに育てることなんてできない」と思い込んでいます。

確かに子供は常に叱られるような行動をします。だから親は、子供が叱られるような行動をやめてくれたら、私も叱らずにすむと考えます。子供に先に変わってもらおうと思っているのです。

でも、変わるのは親の方が先です。順番は必ず大人からです。子供よりも大人の方が先に変わることができるからです。


親が叱らなくなって初めて、子供の行動が変わっていく

親が子供を叱らなくなれば、少し経ってから子供は叱られるような行動を減らし始めます。親が叱らなくなって初めて、子供の行動が変わっていくのです。

叱り続けているうちは、子供は叱られるような行動を決してやめません。

1日に10回もどなられ、時には手をついて謝っているのです。自尊心は深く傷つき、屈辱感のようなものだけが残っているでしょう。お子さんにそんなことさせないでください。


お互いの欠点をののしっても、反省して改善することはない

夫が妻をどなりつけて「料理がまずい」「掃除がへた」と言ったりします。それで妻が反省して、もっと美味しい料理を作ろうと思うでしょうか?夫婦の関係が良くなっていくでしょうか?

本当にいい夫婦は、お互いの欠点をののしるようなことは絶対しません。親子だって同じことです。


自分が親にされてイヤだったことを、わが子に引き継ぐ必要はない

子供を叱ってしまうのは、自分自身が子供の頃に親から叱られることが多かったのだと思います。そういう生い立ちを振り返ることも大切です。

自分が親にされてイヤだったこと、辛かったことを、わが子に引き継ぐ必要はありません。

人間は大人になっても、いえ、死ぬ直前まで自分で自分を育てていくのです。そのためにも、自分自身を振り返って、静かに自分を見つめ直してください。

そして、わが子のいいところ、ほめたくなるところ、好きなところ、そういうところを一生懸命考えるといいです。


きょうだいゲンカには立ち入らない。気持ちを切り替えるだけでいい

きょうだいゲンカには、親がその喧嘩に立ち入らないことです。「なんで喧嘩してるの」「あなたが悪いでしょう」「お兄ちゃんでしょう」「妹でしょう」ということは言わないのです。

タイミングを見計らって「これでおしまい」とだけ伝えてください。「のどが乾いたでしょう。ジュース飲もうね」などと、気持ちを切り替えるだけでいいのです。

そうやって、親がどちらの味方にもならないことで、きょうだいゲンカは自然と減っていくものです。

ダダをこねるのであれば、抱っこしてあげてください。抱っこが好きな子も、嫌いな子もいますが、スキンシップは子供にとって心地良いものなのです。


家出するのは独立心旺盛なのではなく、甘えたい気持ちの現れ

妹と喧嘩して「もう家を出ていく」と言って家を飛び出した長女、慌てて着替えて15分後に追いかけていったら、外でただうずくまっていただけ。こんなにも独立心旺盛な長女は大きくなったらやはり家でしてしまうのでしょう?

いえ、この子は、独立心旺盛どころかその逆だと感じます。親に甘えたくてたまらない子です。妹の方がお母さんにかわいがられているように思えたのでしょう。

自分の気持ちを分かってほしくて、でもそれを言葉で言えなくて、態度で示そうとして家を飛び出したのです。

それなのに、親は15分も経ってから迎えに来たんですね。その子は外で、濡れた髪のまま、ずっと待っていたのです。

その気持を考えずに、「独立心」という言葉で納得してはいけません。

家に戻らずに友達の家を泊まり歩く、家出少女たちも根っこは同じです。決して独立心が旺盛なのではなく、自分にもっと目を向けてほしくて家を出るという、極端な行動に出ているだけです。


本当の独立心は、親にたっぷり依存し安心できて初めて育つもの

子供が本当の意味で自立するためには、家庭に十分な安らぎと安心を感じる必要があります。

親との関係で守られているという十分な安心感を得て、その安心感を持ち歩くようにして、親から少しづつ離れていくのです。

子供は誰しも、新しい世界にでていくことにおびえと不安を感じるものです。けれど、親への信頼をしっかり実感できれば、それを安心材料のようにして外の人とのつながりをつくれるようになるのです。


居心地が悪いから家を出るのではない。居心地がいいから安心して外に行ける

不登校の子が学校に行けるようになるタイミングは、親との関係がよくなり、家庭が本当の意味で居心地がよくなったときなのです。

外でいきいき活動できる子というのは、帰る家のある子です。

子供は居心地が悪いから家を出ていくわけではありません。居心地の良い家庭で十分エネルギーを溜め込むことができたから、自信をもって家を出ていけるようになるのです。

逆に言えば、親に不安感をもっているうちに親から離れることほど、危ないことはありません。


上の子は「自分は下の子ほど愛されていない」と思いがち

2人きょうだいによくあるのですが、上の子は「自分が下の子ほど愛されていない」と思いがちです。

下の子が生まれるまで独り占めしていた親の愛情が、下の子の誕生によって半分、いえ、本人にしてみれば、ほぼすべて奪われてしまう経験をするからです。

今からでも遅くはありません。「あなたが大事」「あなたが大好き」という思いが子供に伝わるように届けてください。

一番簡単で伝わりやすいのは食べ物です。上の子に「今夜は何が食べたい?」と聞いてみてください。思い浮かばないようであれば、「スパゲッティとオムライスどっちが食べたい?」と選ばせるのもいいですね。

おやつも喜びますよ。「あなたの好きなシュークリーム買ってきたよ」というように、その子の好物を買ってきてあげるのです。

子供というのはたったそれだけのことが嬉しいのです。親に愛されていると伝わるのです。

あまりに些細なことなので親はつい忘れてしまうのですが、それを丁寧に繰り返してみてください。


小学生になったら親は後ろから見守るのが当然ではない

小学生になったら親は後ろから見守るのが当然というわけではありません。その段階に来ていない子もいます。

寄り添って、支えて、あなたが大好きだよと何度も繰り返し伝えて、「家がいちばんいい」「親のそばが安心」と思わせてあげてください。

親にたっぷり甘え、ときには反抗し、その気持をしっかり受け止めてもらった先に、この子の本当の独立があるのだと思います。


心に満たされないものがあれば、子供だって眠りたくない

フルタイムで働いて延長保育ギリギリの19時に保育園に迎えに行き、帰宅後は22時までの3時間で、夕食→お風呂→歯磨き→寝かしつけをしなければいけないのに、子供が「自分で〇〇する」と主張したり、自分で絵本を選んできたのにこれじゃないと言ったり。イヤイヤ期だからしかたないのですが、一刻も早く寝かせるためにはどうすればいいのでしょうか?

もちろん睡眠はとても大切です。家事もたくさんこなさなければいけません。できるだけ早く寝て欲しい気持ちはわかります。

けれど、子供はやはり子供なのです。昼間いっしょにいられなかった分、甘えたいし、遊びたい。さっさと寝たくはないのです。明日の朝になればまた離れなければいけないのですから。色んな事を言って寝る時間を後回しにしたいのです。

大人だって同じです。仕事でストレスがたまっていると「早く寝ないと明日が大変だ」とわかっていても夜ふかしをしてしまうものです。

自分で〇〇したがったり、絵本を何度も選んだり、かわいいじゃないですか。ケンカする必要なんてありません。付き合ってあげれば、絵本の読み聞かせ以上に、子供の心は落ち着くのです。


好きなだけまとわりつかせてあげることも、親子のふれ合いです

ごはんを作って、洗濯機を回して、お風呂にも入れて、、、やることはたくさんありますが、子供に「やることがいっぱいあって忙しいから、あなたはあっちでテレビでも見てなさい」では、満たされない思いが溜まってしまいます。

「家事をする間はママにつかまってなさい」とエプロンの端を握らせてあげればいいのです。ちょっとした踏み台を用意して、台所仕事を見せてあげるのもいいでしょう。

洗濯物を干す時は「いっしょにおいで」とベランダに連れていきましょう。

親子のふれ合いとは、子供と一生懸命に遊ぶとか、絵本を読み聞かせるとか、そういうことだけではありません。

家事をしている間、好きなだけまとわりつかせてあげることも、心を満たす大事なふれ合いです。

そのうち子供も大きくなっておもしろくないと気がついたら「おもちゃで遊ぶからいいや」なんて言って、だんだん来なくなるものです。


自分でやると主張する子は、将来楽しみな子

自分でやると自己主張をする子は、将来楽しみな子ですよ。豊かな想像力や自主性をもった頼もしい大人になると思います。

いい子が生まれてきたんだと思ってください。いい子というものは、育てるのに手間がかかるものなのです。


参考

この内容は、川崎医療福祉大学特任教授、横浜市リハビリテーション事業団参与で、自閉症を持つ人々のための支援プログラム、TEACCH(ティーチ)を米国から日本に紹介するなど様々な経歴をもつ精神科医 佐々木正美先生の「この子はこの子のままでいいと思える本」の要約と一部抜粋です。

本書には他にも、気づきを与え、心を軽くしてくれる、子供の育て方に関する金言がたくさん載っています。

興味を持たれた方はぜひ一度手に取って見てはいかがでしょうか?

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