あるメールアドレスで、メールを送信すると送信したメールが戻ってきてしまうという症状が発生しました。
エラーが発生する前までは問題なく使えていたのに急に発生し、受信はできる状態です。
ここではこのエラーの原因と対処法についてまとめています。
結論
最初に結論から書くと、新しいOutlook(new Outlook)のメール送信時の仕様が原因です。
対処法はメールアカウントの設定で海外からの送信制限をOFFにすることです。

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これがONになっていると送信エラーになります。
原因は後述しています。
new Outlookの仕様が原因なので、ThunderbirdやGmailなど他のメールソフトを使うことでも解決します。
エラーの内容
送信したメールが戻ってきてしまい、メールが送れません。このエラーのポイントですが、対象はこのメールアドレスのみで、しかも送信のみできない状況です。
同じドメインの他のメールアドレスは問題なくメールの送受信ができます(例:user@example.comは送信エラー、info@example.comは送信可能)
- エラー発生前は普通に送信できていた。設定も変更していない
- メールの送信ができない(送信してもエラーで戻ってきてしまう)
- メールの受信はできる
- 同じドメインのメールアドレスは送受信が問題なくできる。
- 送信先のメールアドレスは正しい
- 複数の相手への送信でも同じ症状が発生する(誰にも送れない)
- メールソフトはOutlook(new)
- SPF, DKIM, DMARCは正しく設定済み
戻ってきたメールには以下のような文章が記載されています。
技術的な詳細 InvalidRecipientsException: メッセージに対して指定された受信者が無効です: '9045' (554 5.7.1 <unknown[40.104.87.5]>: Client host rejected: Incorrect country code US )。 --> 予期しない SMTP サーバーからの応答です。予期された応答: 250、実際の応答: 554、完全な応答: 554 5.7.1 <unknown[40.104.87.5]>: Client host rejected: Incorrect country code US エラー コード: 80ba
送信できない理由は、送信元のメールサーバーが「Incorrect country code US(間違った国コード:US)」として拒否されているため、送信メールが受信側サーバーにブロックされていることです。
「Client host rejected: Incorrect country code US」とあるので、なぜか 送信元のメールサーバーが「米国のIPアドレスから送信された」と判断され、それを拒否している状態です。
なお、IPアドレス40.104.87.5は、Microsoft系の送信サーバーのIPアドレスで、OutlookやExchange Onlineでよく使われます。
不可解な点
IPアドレス40.104.87.5は、Microsoft系の送信サーバーのIPアドレスで、OutlookやExchange Onlineでよく使われるものですが、実際のメール送信サーバーはお名前.comを使用しています。(OutlookやExchange Onlineではありません)
なので、もし、お名前.com の SMTP サーバーを経由しているのであれば、相手側に見える送信元IPが Microsoft になるのは不自然です。
なぜ Microsoft 系のIPが出てきたのか?に関して可能性は2つあります。
- Outlookのアカウント設定が「お名前.com」ではなく「Microsoft Exchange」扱いになっている
Outlookにメールアドレスを追加するとき、自動設定で「Exchange」として認識されることがあります。
そうなると実際にはお名前.comのSMTPサーバーではなく、Microsoftのクラウド経由で送信されます。 - お名前.comのアドレスを Microsoft 365 に連携して使っている
たとえば「お名前.comのドメインメールを Microsoft 365 (Outlook) に統合」しているケース。その場合は送信経路は Microsoft のSMTPサーバーになります。
ですが、メールサーバーの設定を確認してもきちんとSMTPでお名前.comのサーバーが設定されていました。(元の状態から設定を変更していないので当然なのですが)
原因
本来メールを送信すると、以下の流れで送信します。
Outlook(メールソフト) → 送信メールサーバー → 受信メールサーバー
ところが、新しいOutlookでは、なぜか以下のような経路をたどるようです。
Outlook(メールソフト) → ※Microsoftのメールサーバー → 送信メールサーバー → 受信メールサーバー
このときMicrosoftのメールサーバーが海外(アメリカや韓国など)のものを勝手に使用します。
すると、送信メールサーバーで海外からの勝手な送信を拒否している場合に、送信エラーが発生するという流れです。
Outlook困りますね。。


